日本企業不正実態調査
2022-10-14 15:00:01

KPMG調査:日本企業の不正実態、横領が依然として増加傾向、DX化が課題に

KPMG調査:日本企業の不正実態、横領が依然として増加傾向、DX化が課題に



KPMGは、日本企業における不正の実態を調査した「Fraud Survey 2022」の結果を発表しました。同調査は、2022年3月18日時点の全上場企業3,873社を対象に実施され、578社の有効回答を得ています。

調査結果によると、直近3年間における上場企業の不正発生割合は4社に1社となり、前回調査と比較して減少したものの、依然として高い水準です。不正の内容としては、着服または横流しが最も多く、前回調査と同様の傾向でした。

コロナ禍の影響により、出張や会食の場が減り、旅費や交際の不正使用の機会は減少したと考えられます。しかし、同時に現場監査や指導が困難になったことで、不正の発見が遅れる可能性も指摘されています。

企業は不正リスクに対する意識変化も示しており、新型コロナウイルス感染拡大の前後で不正リスクが増大したと回答した企業では、対面の減少による牽制機能の低下や内部監査の質の低下に不安を感じているようです。

不正リスクへの対策として、企業は行動規範等の整備やグループガバナンスの高度化に力を入れています。しかし、不正発生の根本原因として、「行動規範等の倫理基準の未整備または不徹底」を挙げる企業も少なくないことから、倫理意識の向上やコンプライアンス体制の強化が課題となっています。

さらに、DX化が進む中で、ITデータの分析の高度化は重要課題となっています。9割以上の企業がITデータ分析の高度化に関心を示しているものの、具体的な取り組みを進めている企業はわずかです。その要因として、「高度なITの知見を有する人材が不足している」という回答が多数寄せられており、人材育成の必要性も浮き彫りになっています。

ESGへの関心が高まる中、企業不正の予防・早期発見やリスク・コンプライアンス管理体制の強化に関心を持つ企業は、経営陣のESGに対する関心と比例して増加傾向が見られます。

品質不正に関しては、「品質管理・品質保証等に対する経営資源(ヒト・モノ・カネ)の投入が不十分」が主な要因として挙げられています。収益追求やコスト削減を優先し、品質保証が後回しになっている現状は、前回調査と変わらず、日本企業にとって課題となっています。

KPMGは、11月11日(金)に「Fraud Survey日本企業の不正に関する実態調査2022」の公開記念セミナーを開催します。詳細については、KPMGのウェブサイトをご確認ください。

まとめ



KPMGの調査結果から、日本企業における不正は依然として深刻な問題であることが分かります。不正リスクの軽減には、倫理意識の向上、コンプライアンス体制の強化、DX化への対応など、多角的な取り組みが必要となります。

会社情報

会社名
株式会社KPMG FAS
住所
東京都千代田区大手町1丁目9番5号大手町フィナンシャルシティ ノースタワー
電話番号

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