ASEAN地域での低環境負荷船普及を目指す日ASEANグリーンシップ会合の成果
ASEAN地域における低環境負荷船の普及促進
国土交通省は、環境への配慮から、ASEAN地域における低環境負荷船の普及を目指し、令和7年(2025年)2月27日にフィリピン・マニラで「日ASEANグリーンシップ政府間会合」と官民セミナーを開催しました。この会合は、環境負荷を削減し、持続可能な海運の実現に向けた重要な取り組みとして位置付けられています。
政府間会合の概要
会合には、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムと日本の代表者が参加し、ASEAN低環境負荷船普及戦略の進捗状況を報告し、新たな戦略策定に向けた議論が行われました。参加国は、それぞれの国で進められている低環境負荷船の政策に関する情報を共有し、互いに学び合う貴重な機会となりました。
日本側からは、ASEAN低環境負荷船普及戦略の成果や、今後の取り組みについて具体的な報告がなされました。この戦略は、環境に配慮した内航海運を促進し、国際的な取り組みをサポートするために2019年に策定されたもので、各国の施策におけるベストプラクティスの共有やインベントリリストの作成などが行われています。
官民セミナーの成果
午後には、官民セミナーが開催され、約130名の参加者が集まりました。日本の6社の企業が参加し、環境負荷を減少させる新たな技術が紹介されました。エンジンメーカー、塗料メーカー、プロペラ会社、電機メーカーなど様々な業種から、クリーンエネルギー対応技術や省エネ製品が発表され、参加者からの熱心な質疑応答が行われました。
特に、新燃料対応の技術、省エネ塗料やプロペラの開発は、海運業界における環境負荷の低減に大きく寄与することが期待されています。これらの技術は、ASEAN地域での低環境負荷船の普及に向けた重要な要素であり、今後の進展が注目されます。
参加者の声
参加者からは、意見交換の場としてのセミナーの重要性が強調されました。「日本の最新技術に触れ、他国の取り組みを知ることで、自国での政策に活かせるアイデアが得られた」といった感想が多く聞かれました。
また、セミナーを通じて参加者同士のネットワークが広がり、更なる協力関係の構築が期待されています。国土交通省は、今後もASEAN地域における環境負荷削減に向けた取り組みを推進し、持続可能な海運の実現に貢献していく所存です。
このような国際的な協力を通じて、環境に配慮した持続可能な海運業界の実現が近づいていくことを願っています。