新たなエネルギーの幕開け
ハイケム株式会社は、2025年5月9日、マレーシア・サラワク州政府が所有するSarawak Petchem Sdn. Bhd.(サラワク・ペトケム)と合成ガス由来のSEG®プラントに関する覚書を締結しました。この合意は、双方が協力してエチレングリコールを製造するプラントをサラワク州のビンツルに開発・建設することを目指しています。
この覚書の意義は、合成ガスから生産されたエチレングリコールを利用して、未来の持続可能な社会に繋がる事業を推進することにあります。ハイケムは、当初は天然ガス由来の合成ガスを使用して製造を行い、将来的には再生可能エネルギーを使用した「グリーン・エチレングリコール」の生産へ切り替える計画です。
サラワク州の戦略的な資源利用
サラワク州は、ボルネオ島に位置するマレーシア最大の天然ガス生産地であり、豊富な天然資源を有します。州内には3.5GWの水力発電所が稼働しており、エネルギー供給の基盤を支えています。これらの資源を最大限に活かすため、州政府はガスロードマップを策定し、川下産業への外国投資を促進しています。
昨年、サラワク・ペトケムは年産175万トンのメタノール工場を始動させ、ますます多くの企業がこの地域に注目しています。さらには、CO2を回収し貯蔵するCCS技術の導入や、バイオマスによるグリーン水素の製造といった、環境に優しい取り組みも進めています。
ハイケムの技術的な優位性
ハイケムの技術は、CO2を利用して化学品を製造する脱炭素技術に特化しています。C1技術に基づく区域的な開発で、エチレングリコールやパラキシレンの製造が可能です。特に、合成ガスからエチレングリコールを生産するSEG®技術は、中国を中心に広く採用され、既に23件のライセンス契約を結んでいます。
この技術を基に、ハイケムは世界規模での社会実装を目指して努力しています。豊富な資源と高度な技術を背景に、持続可能な化学産業の実現に向けた道筋を描いています。
未来のビジョン
ハイケムは、今後もエコフレンドリーな製品と技術を提供し続ける意向です。持続可能な開発を追求し、世界中の市場においてグリーン・エチレングリコールの製造技術を普及させ、化学業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。これにより、サラワク州及び全球的な環境への貢献を行うことが期待されています。
ハイケムの取り組みは、環境の持続可能性だけでなく、経済成長の促進にも寄与するでしょう。エネルギー革命を通じて、ハイケムは新しい未来を切り開きます。