年々増加するクマ被害、人々の意識は?1000人アンケート調査結果
近年、全国各地でクマによる被害が深刻化しています。特に東北地方では、目撃件数や被害件数が年々増加しており、人々の不安は高まっています。そこで、株式会社ナビットは全国の主婦を中心としたモニター会員1000人を対象に「クマ被害」に関するアンケート調査を実施しました。本記事では、調査結果から見えてきた人々の意識や対策、共存への考え方を詳しく紹介します。
クマ被害、最も連想されるのは「人的被害」
アンケートでは、クマ被害について何を連想するかを尋ねたところ、「人的被害」が80.8%と最も多く、次いで「農業への被害」が15.6%という結果になりました。具体的な統計情報はありませんが、実際の被害件数では農業被害の方が多いため、イメージの問題で人的被害を選んだ人が多かったと考えられます。
クマ被害の情報源は「新聞・テレビ・ラジオ」が圧倒的
クマ被害に関する情報源について尋ねたところ、「新聞・テレビ・ラジオ」が77.1%と大部分を占めました。次に多かったのは「SNS・インターネット」で16.7%となり、この2つで93.8%となっています。従来型のメディアが依然として主要な情報源となっていることがわかります。
クマとの遭遇回避策は「出没しやすい場所や時期を避ける」が主流
クマに遭遇しないようにするための対策としては、「クマが出没しやすい場所や時期を避ける」という基本的で確実性の高い方法が55.6%と最も多く、次いで「音を鳴らして人の存在をクマに知らせる」という対策が15.9%という結果になりました。
住宅地に出没したクマの対処法は意見が分かれる
クマが住宅地に出没した場合の対処法については、「かわいそうだが殺処分もやむを得ない」が31.4%と最も多く、意見が大きく分かれました。次いで「山に帰すべき」が19.3%、「可能な限り殺処分をしないで捕獲すべき」が15.6%という結果になりました。
クマ対策への期待は「共存のための環境づくり」
クマ対策について、政府や自治体に求めることをフリー回答で尋ねたところ、多くの人が「クマが山で充分な食料を得られるように森林を育てたり、鹿の数を減らしたりすれば良いと思う」「熊が隠れるような茂みは公費で手入れをしてほしい」といった、クマが山に帰りたくなるような環境づくりを求める意見がありました。また、「人間とクマがちゃんと住み分けができる環境を作ることはできないのかを検討してみてほしいと思います」など、人間とクマの共存に向けた建設的な意見も見られました。一方で、殺処分についての賛否両論も寄せられました。
ツキノワグマの特徴と生態
日本本土でクマ被害を起こしているのは、主にツキノワグマです。ツキノワグマは、胸に三日月形の白い模様があることからその名が付けられました。体長は1.2~1.9メートル、体重は60~120キログラムにも達する大型動物です。
強力なフィジカル能力を持つツキノワグマ
ツキノワグマは非常に俊敏で、短距離では時速40キロメートル以上で走ることができます。また、強力な顎を持ち、硬い木の実や動物の骨を砕くことができます。前足も強く、木登りや地面を掘る際に威力を発揮します。さらに、泳ぐこともでき、川や湖を渡ることも可能です。鋭い嗅覚で遠く離れた場所にある食物や人間の存在を感知することもできます。
これらの特徴から、ツキノワグマは非常に適応力が高く、強力な動物であることがわかります。
クマとの共存に向けて
今回のアンケート結果から、人々はクマ被害に対する不安を感じながらも、共存への意識を持っていることがわかりました。クマが山で安全に暮らせる環境を作ることで、被害を減らし、人間とクマが共存できる未来を目指していくことが重要です。
株式会社ナビットについて
株式会社ナビットは、2001年設立の調査・分析会社です。全国63,400人の主婦モニターを抱え、様々な調査・アンケートを実施しています。調査結果を基にしたデータ分析やレポート作成、テキストマイニングにも対応しています。
「1000人アンケート」は、最短2日で1000人の回答が得られる、手軽で迅速なアンケートサービスです。
詳細はこちら:https://survey.navit-research.jp/