八町小学校における英語イマージョン教育の視察
愛知県豊橋市の八町小学校では、グローバル化が進む中、英語イマージョン教育が注目を集めています。早稲田大学の原田哲男教授とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の林あさこ博士が、同校での授業を視察し、その効果を評価しました。彼らが見たのは、ただ言語を教えるのではなく、教科学習を通じて英語を活用する方法でした。
イマージョン教育の目的とは?
海外でも行われているイマージョン教育は、学習者が目標言語を使うことを促すことが大切です。八町小では、日本語を重視しつつ、英語でさまざまな教科を学べる環境を整えています。このアプローチは「トランスランゲージング」と呼ばれ、日本語と英語の使い分けを通じて、児童の学びを深めています。
課題と可能性
視察では、特に3・4年生の児童が英語に対し「できない」と感じることがあるという課題を強調しました。英語が自身の知的レベルに達していない子どもたちに対する適切なサポートが求められます。しかし、八町小の授業では高学年児童でも積極的に授業に参加している姿が見られ、これは公立学校におけるイマージョン教育の将来を感じさせるものでした。
具体的な授業の内容
視察の中で特に印象的だったのは、5年生の社会科授業「米づくりの盛んな地域」でした。ここでは、米農家のための解決策を英語で考え、グループで共有するという形で学習が進められました。生徒たちは、英語を使用しながら互いに意見を交わし、全体としてコミュニケーションを楽しむ様子が見受けられました。
学習の重要な要素
原田教授は、英語を使う環境をどのように具体的に作り出すかが重要であると指摘します。「コミュニケーション・ギャップを設け、教科学習としても意味を持たせることが大事です」とし、特に児童同士が質問し合う場面を評価しました。また、グループワークの中で全員が発言する機会を持つことで、自然に英語を使う機会が増えています。
教育の将来性
八町小では、帰国生や外国籍児童を特別に受け入れることで、英語を強化しつつ日本語を学ぶ機会も提供しています。このような環境は、アメリカの双方向イマージョン教育に近い形で進行しています。原田教授は、「2つの言語を使うことで、児童はより自発的に目標言語を使うことができる」と述べ、このプログラムの可能性を強調しました。
まとめ
八町小学校におけるイマージョン教育は、単に言葉を学ぶのではなく、文化的な理解や異文化コミュニケーションの力を育む重要なステップとなっています。このような取り組みが広がることで、日本の英語教育にも新しい風が吹き込まれることを期待したいです。
詳しい内容は、ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所の公式サイトでも確認できます。
公式サイト