株式会社ALEと東京大学、アポフィス探査ミッションの契約締結

小惑星アポフィス探査ミッションに向けた新たな一歩

株式会社ALEは、東京大学大学院理学系研究科宇宙惑星科学機構（UTOPS）との間で、小惑星「アポフィス」の探査ミッションに関する共同研究契約を締結しました。ALEのミッションは「科学を社会につなぎ宇宙を文化圏にする」であり、今回の契約締結はこのビジョンを実現するための重要なステップです。

アポフィス探査の意義と目的

小惑星アポフィス（99942 Apophis）は、2029年4月に地球に接近する計画があり、その際には約32,000 kmの距離まで接近するとされています。この近接イベントに伴い、多くの探査ミッションが予定されていますが、アポフィスの構造や特性についてはまだ解明されていない点が多いため、本共同研究はその解明の一助となることが期待されています。

ALEと東京大学は、「低エネルギーマルチインパクト実験」を通じて、アポフィスの表面に微小な衝突を発生させ、小さなクレーターを形成することにより、表面物質の特性や宇宙環境の影響について理解を深めることを目指しています。この実験は、ALEの独自の人工流れ星技術を利用して行われます。

宇宙探査への技術応用

ALEの人工流れ星技術はこれまで主にエンターテインメント分野で活用されてきましたが、今回が初めて宇宙科学の探査に本格的に応用される試みです。具体的には、宇宙空間に特殊な流星源を放出し、大気圏に再突入させることにより、地上から見える人工的な流れ星を生成します。これにより、実験の結果を科学的に解析し、アポフィスの微小クレーターの特性を調査することが可能になります。

知見の重要性と未来の可能性

本研究で得られたデータは、小惑星の構造や特性を理解する上で重要であり、地球衝突リスクの低減や未来の宇宙資源への関与といった困難な課題への取り組みをサポートします。UTOPSの教授、橘省吾氏は「この研究手法は、小惑星表面の特性を明らかにし、太陽系科学やプラネタリーディフェンスに大きな貢献をすることが期待される」と述べています。

また、ALEのCEOである岡島礼奈氏は、「私たちの技術が宇宙科学研究に役立つことを嬉しく思っており、宇宙の未知を探求することで、人類に持続可能な未来を提供することを目指します」とのコメントを寄せています。

未来への展望

ALEと東京大学は、この共同研究を通じて、宇宙科学の進展を加速し、持続可能な宇宙資源の開発を進めていくことを目指しています。今後も関連研究機関や企業と連携を深め、広く社会に貢献する取り組みを推進していくでしょう。

人工流れ星技術は、ALEのエンターテインメント事業「SKY CANVAS」とも結びついており、世界各地で新たな体験が期待されています。今回の契約締結を契機に、宇宙科学とエンターテインメントが交わることで、より魅力的な未来が切り拓かれることを期待しています。