BPaaSの普及状況と企業の認知度、課題を探る調査結果
近年、企業のデジタル化が進む中で、BPaaS(Business Process as a Service)というサービス形態が注目を浴びています。これは、SaaS(Software as a Service)を超えた業務工程をアウトソーシングし、企業が効率的に業務を進められるように支援するものです。そんな中、jinjer株式会社が実施した「BPaaSの認知度・利用実態調査」によって、企業の実際の認知度や活用状況が明らかになりました。
調査の背景と目的
BPaaSは、単なるソフトウェア提供を超え、業務プロセス全体を影響するサービスです。特に、リモートワークや働き方改革が求められている現代において、企業はこの新しい形態を理解し、導入する必要性が増しています。こうした背景を受けて実施された本調査は、421名の人事担当者を対象に行われました。
認知度と利用状況
調査の結果、全体の約80%の企業がBPaaSについて詳細を知らないと回答。また、全体の約21%が「聞いたことがあるが詳しくは理解していない」と回答しました。一方で、約50%の企業がBPaaSを「利用している」または「今後導入を検討している」とし、期待感がうかがえます。
BPaaS導入の理由
BPaaSを導入または検討している主な理由として、最も多く挙げられたのは「工数削減につながるため」で、これは59.2%を占めました。その後に「コスト削減(54.4%)」や「社内に運用ノウハウが無い(41.7%)」と続いております。特に、業務の効率を高めるためにBPaaSを利用する動きが進んでいることがわかります。
効果と課題
BPaaSを利用した企業の中で、約80%が業務効率が「向上した」または「大幅に向上した」と答えました。しかし、同時に「利用コストが高い」との声も多く、49.5%がこの問題を抱えているとの結果が出ています。その他の懸念点としては、「セキュリティ面に不安がある」とした回答が47.3%、業務プロセスとの適合に関する不満も41.8%見受けられます。
活用される業務領域
具体的にどの領域でBPaaSが活用されているかというと、「会計・財務管理」が80.6%、次いで「人事労務管理」が77.8%と、特にこれらの分野での利用が目立ちます。分野の特化と効率化が求められていることを示しています。
企業からのコメント
調査結果を受け、株式会社BODからは、「BPaaSの活用はコスト削減と業務効率化を促進する」との声が寄せられました。これにより企業がコア業務に集中できる環境が整うとしています。jinjerの最高プロダクト責任者も、「現在の調査結果からBPaaSの認知度を向上させる必要性を感じている」と述べ、今後も業務効率化に向けた取り組みを継続していく意向です。
まとめと今後の展望
BPaaSは今後も多くの企業にとって身近な選択肢として定着していく可能性があります。企業が業務プロセスを外部へアウトソーシングすることで得られる効率化に期待が寄せられており、これからのデジタル化時代に向けた重要な施策となるでしょう。