深度合成顕微鏡「Penta-SCAN」の進化
新たに誕生した「Penta-SCAN」は、株式会社GRIPSがAsoka Engineeringと共同で開発した深度合成顕微鏡です。この革新的な装置は、従来の顕微鏡では難しい、物体の側面をも捉えることが可能です。これにより、深度合成やフォトグラメトリ技術を駆使した3Dモデルの生成が、新たな次元で実現しました。
特徴的な設計
「Penta-SCAN」では、従来の3軸(X,Y,Z)に加え、物体に対してΘ(回転)とγ(傾き)の2つの自由度を持つ撮影アクチュエータを採用しています。このデルタ型アクチュエータとスチュアートテーブルを組み合わせた構造により、対象物の角度を変えた画像を取り込み、より精密なデータを提供します。
この機能は特に生産現場での物体表面の高精度検査、研究開発における3Dデジタルモデル化、さらにはデジタルアーカイブへの応用に大きく寄与することでしょう。
「Penta-SCAN」の具体的な機能
「Penta-SCAN」には、次のような機能が搭載されており、複数の被写体に最適化されています。
- - Z-SCAN機能: カメラをZ軸方向に動かしながら静止画を撮影し、深度合成を行うことで、焦点が合った鮮明な画像を生成します。
- - Tilt-SCAN機能: テーブルが前後左右に傾斜をつけることで、斜め側面からの撮影を実現。これにより、従来困難だったアングルからのクリアな画像を確保できます。
- - Flat-SCAN機能: カメラをXY方向に動かし、静止画を結合することで、広範囲にわたる画像を生成します。
- - Light-SCAN機能: カメラレンズ周囲に設置されたリング照明を使い、特定の方向に照明を集中させることで、金属表面の反射を抑えることができます。
これらの機能を組み合わせることで、「Penta-SCAN」は従来の顕微鏡にはなかった高度な撮影環境を提供します。
技術革新への取り組み
株式会社GRIPSは、「Penta-SCAN」をZ-SCANファミリーの第四製品として位置付けています。この新製品は、これまでのZ-SCAN S、Z-SCAN Handy、Gantry-SCANに続くものです。将来的には、より多くの技術革新と製品への機能実装を進めていく方針です。
「Penta-SCAN」は、高度な撮像ニーズに応えるためにオープンイノベーションを活用し、新しい撮像技術のソリューションを提供し続けることでしょう。
製品仕様
Penta-SCANの主な技術仕様は以下の通りです:
- - 顕微鏡: HAYEAR単眼MAX 300X ズームとHAYEAR 16 MP 1080p HDMI C-Mount顕微鏡カメラ
- - サイズ: W342 D327 H809mm
- - 重量: 約13kg
- - 撮影範囲: X方向±50mm, Y方向±50mm, Z方向160mm
- - 傾斜角度: θ方向±45°, γ方向±45°
- - 反射照明: NeoPixel LED WS2812B x 40個
- - 透過照明: NeoPixel LED WS2812B x 9個
- - 消費電力: DC12V 250W
お問い合わせ
「Penta-SCAN」や株式会社GRIPSに関するさらなる情報は、以下のウェブサイトから確認できます。
GRIPS公式サイト
代表者: 森田康 | 設立: 2019年6月 | 本社所在地: 千葉県流山市後平井170-421