大和ハウス工業、アライアンス・レジデンシャル社の持分取得について
大和ハウス工業株式会社は、2024年11月1日よりアライアンス・レジデンシャル社の持分を取得することを発表しました。この取り組みは、米国における賃貸住宅事業のさらなる強化を目指したものであり、大和ハウスの中期経営計画における重要な戦略の一環です。
アライアンス・レジデンシャル社の概要
アライアンス・レジデンシャル社は、2000年に設立され、米国アリゾナ州スコッツデールを本拠地とする企業です。全米16州39都市圏を対象に、賃貸住宅の開発や建設を手がけています。主力商品には、富裕層向けの「Broadstone(ブロードストーン)」や、ワークフォース住宅「Prose(プロ―ズ)」、高齢者向け住宅「Holden(ホールデン)」などがあり、2022年には61棟、13,169戸を着工し、全米賃貸住宅開発事業者ランキングで第1位を獲得しています。
大和ハウスの戦略
大和ハウスグループは、「第7次中期経営計画」に基づき、2026年度を最終年度とし、海外事業において1兆円の売上高、1,000億円の営業利益を目指しています。これまでに米国市場においても多くの賃貸住宅を開発しており、今回の持分取得は、同社の目標を実現するための重要なステップとなります。
これまでの米国での活動として、2011年にはカリフォルニア州で賃貸住宅を購入し、管理運営を開始しました。その後、テキサス州やワシントンD.C.周辺での大型物件開発へと拡大し、現在では17件5,675戸の賃貸住宅を展開しています。また、M&Aにも積極的に取り組んでおり、スタンレー・マーチン社やトゥルーマーク社、キャッスルロック社を子会社化するなど、成長戦略を推進しています。
住宅市場の動向
米国の賃貸住宅市場は、建設コストや金利の高騰の影響で一時増速が見られましたが、依然として住宅不足が課題となっています。これにより、将来的な住宅需要は高まると予測されています。2040年までに総人口が3億5,531万人に達する見込みで、新築住宅の需要が続くでしょう。
アライアンス社との synergies
アライアンス・レジデンシャル社は、全米での広範なビジネス展開を持ち、大和ハウスグループの企業文化や価値観とも亲和性が高いため、今後の協力が期待されます。この提携により、米国におけるネットワークと提案力が強化され、より一層の不動産開発プラットフォームの拡大が図られることでしょう。
今後、大和ハウス工業はアライアンス・レジデンシャル社とのお互いの連携を強化し、米国マーケットにおいても、その存在感をさらに高めていく所存です。2025年から2028年までに115棟、約30,000戸の賃貸住宅開発を進め、持続可能な成長を目指します。
結論
今回のアライアンス・レジデンシャル社の持分取得は、大和ハウス工業の米国市場における戦略的な進展を示すものです。持続可能な住宅開発の重要性が高まる中、両社が協力して取り組むことで、顧客ニーズに応えつつ、より良い住環境の提供が期待されます。