ポート株式会社、系統用蓄電所事業の需給調整市場取引を開始

ポート株式会社、系統用蓄電所事業の新たな一歩



ポート株式会社は、2025年6月10日付けで群馬県にあるポート群馬伊勢崎第一蓄電所が需給調整市場における取引を開始したことを発表しました。この取引は、再生可能エネルギーの導入が進む中での電力需給の調整に寄与することを目的としており、期待される収益性の向上を図っています。

株式番号:無し



事業の背景と目的


日本は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指しており、それに伴い再生可能エネルギーがますます重要視されています。しかし、天候や時間帯による発電量の変動に対処するための調整力の確保は、大きな課題です。特に、電力需要が少ない時間帯における余剰電力の有効活用が求められています。このような背景を受け、ポート株式会社は系統用蓄電所事業への参入を決定しました。

具体的には、群馬県においてポート群馬伊勢崎第一蓄電所を皮切りに、ポート群馬太田蓄電所、ポート群馬伊勢崎第二蓄電所の開発を進めています。これらの蓄電所は、それぞれ2MWの出力を持ち、約8MWhの蓄電容量を誇ります。トータルで約10億円の投資規模を予定しています。

事業の効果と取引市場


系統用蓄電所事業は、主に以下の3つの取引市場での最適運用を追求し、収益を最大化することを目指します。

1. 卸電力市場:需要家に供給する電力量を取引。
2. 需給調整市場:周波数維持のための調整力を取引。
- 一次調整力:10秒以内で応動。
- 二次調整力:5分以内で応動。
- 三次調整力:15分以内から45分以内で応動。
3. 容量市場:将来に必要な供給力を取引。

需給調整市場での取引は、現在行われている卸電力市場よりも高い収益が期待されており、その収益性を検証しながら本格参入の意思決定を進める予定です。

今後の見通し


ポート株式会社は、系統用蓄電所事業の検証が順調に進んでいると報告しています。2026年3月期には本格的な参入が決定される見込みで、事業開始初年度は保守的に赤字を想定し業績予想に織り込まれています。なお、この事業に対して投資家からも高い関心が寄せられており、進捗に応じて情報を適時開示することが約束されています。

会社概要


ポート株式会社は2011年に設立され、主に人材領域やエネルギー領域でサービスを展開しています。特にエネルギー領域では、電力・ガス事業者向けの成約支援を行っており、年間90万件以上の成約を実績としています。

今後もポート株式会社は、持続可能なエネルギーの確保と社会課題の解決に向けて、系統用蓄電所事業を通じた新たなビジネスモデルの確立を目指します。これにより、社会全体の持続可能性向上に貢献していくことでしょう。

会社情報

会社名
ポート株式会社
住所
東京都新宿区北新宿2-21-1新宿フロントタワー5階
電話番号
03-5937-6731

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