臨床試験の未来
2020-12-07 15:00:05
ブロックチェーン技術で臨床試験の未来を変えるサスメドの挑戦
ブロックチェーン技術で臨床試験の効率化
サスメド株式会社は、臨床試験の分野で革新をもたらすべく、ブロックチェーン技術を取り入れた新しいアプローチを展開しています。その主な目的は、臨床試験の効率化を促進し、医薬品や医療機器の開発におけるコスト負担を軽減することです。この背景には、近年の臨床試験におけるコスト増や信頼性への懸念が存在します。
サスメドの試みと技術的背景
2019年、同社は「新技術等実証制度」(規制のサンドボックス制度)において認定を受け、国立がん研究センターと共同でブロックチェーン技術を活用した臨床試験のモニタリング実証を行いました。この実証により、モニターが医療機関を訪問することなくデータの信頼性を確保する方法が立証され、厚生労働大臣及び経済産業大臣から法的に認められる見解を得ました。
臨床試験は通常、多くの医薬品開発受託機関(CRO)や治験施設支援機関(SMO)を通じて行われますが、ここで求められるモニタリングは高額で、その負担は年々増加しています。GCP省令により、臨床開発モニターは原資料と症例報告書の確認を行う必要があるため、データの質と信頼性を維持するためのコストが発生してしまいます。
また、データ改ざん事件が発生したこともあり、臨床研究の透明性を確保するための法律も強化され、モニタリングが必須とされました。このような中、サスメドのブロックチェーン技術が果たす役割は大きく、データが改ざんされることが極めて困難なため、安全で信頼性の高いデータ管理を実現します。
先進的な取り組みと今後の展望
サスメドは、これまでの技術開発の成果を活かし、ブロックチェーン技術を利用した治験・臨床研究向けのシステムを開発しています。このシステムは、原資料と症例報告書の確認を行う必要がなくなることで、研究者と医療機関の負担を軽減し、よりスムーズなデータ管理を実現します。
特に、コロナ禍においては、医療機関へのモニターの訪問が困難になっているため、この新しいアプローチはますます重要性を増しています。サスメドのシステムを導入することで、製薬メーカーや大学病院などの研究機関は、効率的かつ経済的に臨床試験を実施できるようになります。
政府もこの動きを支持しており、医薬品開発における新しいテクノロジーの活用が議論されています。今年7月に閣議決定された成長戦略フォローアップにおいても、このソリューションの導入による生産性向上が期待されています。
結論:新しい時代への一歩
サスメドの導入するブロックチェーン技術は、単なるコスト削減にとどまらず、臨床研究の信頼性や効率を向上させる可能性を秘めています。今後も、医療分野におけるデジタル技術の発展を推進し、日本の医療産業の国際的競争力の強化を目指していくことでしょう。新しい時代の臨床試験の形を模索するサスメドの挑戦から目が離せません。
会社情報
- 会社名
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サスメド株式会社
- 住所
- 東京都中央区日本橋本町3-7-2MFPR日本橋本町ビル10階
- 電話番号
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