FRONTEO、医薬品毒性メカニズム予測の最前線
株式会社FRONTEOは、2025年の7月に東京で開催された「第52回日本毒性学会学術年会」において、AIを活用した医薬品の毒性メカニズム予測に関する研究成果を発表しました。これは同社が武田薬品工業と共同で行ったもので、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF)を駆使しています。
この発表では、「Investigative ToxicologyにおけるAIの利用と課題」というテーマで、DDAIFを通じて新たに発見された毒性に関連する遺伝子やメカニズムの予測に焦点が当てられました。具体的には、薬剤による毒性の引き金となる未知の分子を特定し、それを基にした生物学的試験を通じて確認する取り組みが報告されました。このプロセスは、医薬品の開発において安全性を向上させるだけでなく、開発コストや時間を大幅に削減することも期待されています。
AI技術の進展と医薬品開発の未来
FRONTEOは、将来的にはDDAIFを利用し、より多くの創薬研究者と連携を図りたいと考えています。その目的は、医薬品の安全性評価を深め、創薬開発のスピードと成功確率を高めることです。それによって、医療の質向上及び患者の生活の質(QOL)の改善を支援する方針です。
FRONTEOのAI、「KIBIT(キビット)」は、自然言語処理に特化した独自の技術を持つAIであり、医薬品開発において重要な役割を果たしています。この技術は既に多くの製薬企業で実績を上げており、データの解析を通じて研究者の意思決定をサポートする力を発揮しています。
DDAIFの具体的なプロジェクト例
FRONTEOは、マルホや富士製薬工業、エーザイなどとの協力プロジェクトを展開しており、皮膚科や女性医療領域、さらにはマイクロバイオーム創薬への応用も進めています。また、東京科学大学や熊本大学との共同研究も行っており、医薬品開発の各分野における新たな研究ターゲットの探索を目指しています。
これによって、FRONTEOは医薬品研究のスピードと質の両立を実現し、今後の医療の発展に貢献することが期待されます。
今後の展望
FRONTEOは、KIBITの技術をさらに進化させながら、社会のさまざまな課題に対して取り組んでいく所存です。医療業界における技術革新を通じて、持続可能な未来を築くための重要な役割を果たすことが望まれるでしょう。
このように、FRONTEOが今回の学術年会で示した研究成果は、医薬品の安全性評価においてAI技術が果たすべき重要な役割を明らかにしました。今後もこの動向に注目が集まること必至です。