自治体業務を支援する新たなAIサービス
株式会社電通総研が提供する「minnect(ミネクト) AI アシスト」の最新バージョンが、2025年7月1日より導入されます。このサービスは、自治体向けに特化された生成AIプラットフォームであり、行政業務の効率化を支援することを目的としています。この最新バージョンでは、さまざまな機能が強化され、より多くの情報を基にユーザーに応答できる能力を向上させました。
RAG機能の強化
まず注目すべきは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)機能の強化です。この機能は、生成AIの回答をより精緻にするために必要な情報のインデックス数が増加しました。具体的には、これまで3だった上限が10に引き上げられ、より多くの情報源からデータを取得することが可能になりました。これにより、住民や自治体職員が求める情報に対して、より正確で迅速な応答を提供できるようになります。
個人情報保護の新機能
次に、個人情報の保護に関する新しい機能も追加されました。この最新バージョンでは、ユーザーがプロンプトを入力する際の個人情報検知機能が強化され、意図しない情報の漏洩を防ぎます。具体的には、名前や住所、電話番号などの個人情報を識別し、出力時にマスキングすることが可能です。この機能により、セキュリティ対策が求められる自治体業務でも安心して利用することができるでしょう。
チームでの効率的な使用
さらに、ユーザーグループを作成することで、チーム単位でのユーザー管理が可能になりました。これにより、特定のグループ内での情報共有が促進され、業務の連携が強化されます。また、マルチモーダル機能の強化によって、ファイル添付の対応も広がり、自治体の日常業務にさらに役立つ機能が追加されています。
インターネット検索との連携
生成AIが回答を行う際に、インターネット検索結果を反映するグラウンディング機能も実装されました。これにより、最新の情報を元にした正確な回答を提供できるようになります。特に、誤情報の生成を防ぐハルシネーションリスクの低下に寄与し、業務の信頼性を一層高めることができるでしょう。
利用状況の可視化
新たに導入された利用文字数の可視化機能により、組織全体のAI利用状況を時系列で把握することができ、戦略的な業務改善にも繋がります。これにより、利用促進施策を効果的に展開することができるでしょう。
これからの展望
電通総研は2021年にスマートソサエティセンターを設立し、自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)やスマートシティの実現を目指してきました。これまでの経験を基に、「minnect」シリーズにさらなる機能を追加し、自治体の課題解決に貢献することを旨としています。今後も多くの自治体において、このAIサービスが活用され、業務の効率化と住民サービスの向上に寄与することが期待されています。
トライアルおよびデモンストレーションも随時受け付けており、興味がある方は電通総研の公式ウェブサイトを通じて申し込むことができます。今後、自治体の皆様との協力によって、さらなるサービス向上を目指していくでしょう。