岡山大学、企業講師による半導体講義で学生90名が参加し実践的な学びを体験

岡山大学での実践的な半導体講義

2025年7月24日、岡山大学の社会文化科学学域に所属する西田陽介教授が主催する「経営戦略論I」において、モノづくり現場のリアルな声を学べる企業講師によるゲスト講義が行われました。この取り組みは、岡山半導体研究教育推進委員会が主導し、日本の製造業における次世代人材の育成を目指しています。

この講義には、経済学部及びグローバル・ディスカバリー・プログラム（GDP）の2、3年生から90名以上が参加し、熱心に学びました。特に注目されたのは、マイクロンメモリジャパン株式会社の秋山裕明氏を迎え、半導体技術に関する実践的な内容をケーススタディ形式で紹介したことです。彼は42年にわたる半導体・メモリ業界での豊富な経験をもとに、技術経営戦略の重要性や、モノづくり現場での経営の実際について深い洞察を提供しました。

また、講義の中で秋山氏は、半導体産業の全体像とその領域での成功例、失敗例を紹介し、学生たちにとって非常に価値のある学びの場となりました。特に興味深いのは、学生たちとの質疑応答のセッションで、秋山氏が直面した具体的な課題や自身の学びから得た知見を共有した点です。学生の一人が「日本の半導体メーカーは過去にシェアを失ったが、今も変わらないのか？」という質問に対して、彼は「過剰品質が問題だった時代もあったが、現在ではコストとのバランスが求められる」と語りました。

また、設計力の向上についての質問では、秋山氏は「新たに何を作るかのアイデアが重要であり、市場のニーズに早く対応する舵取りが求められる」と述べて、多様な視点での考察を促しました。このようにして、彼は学生たちに実践的な知識を提供し、モノづくりの舞台裏を見せました。

さらに、西田教授は「学生にとって非常に新鮮な学びとなり、実践的な視点を養う良い機会になった」とし、今後もこのような取り組みを続けていく意向を示しました。

岡山半導体研究教育推進委員会は、地域の大学と連携し、半導体関連の教育・研究活動を推進しています。地域の学生向けに開かれる単位互換講座「先端半導体テクノロジー入門」や、大学院生向けの「先端半導体テクノロジー講座」なども計画されており、広く地域社会と結びついた教育の重要性が強調されています。

岡山大学は、半導体技術を軸にした研究と人材育成に注力し、持続可能な未来に貢献する人材を育てることを目指しています。このような取り組みを通じて、次世代を担う新たなリーダーが誕生することを期待しています。今後の岡山大学の活動から目が離せません。