300年を見据えた酒造り「萩乃露」貴醸酒の挑戦

日本酒の新たな挑戦が始まる。創業300年を見据え、萩乃露は「十水仕込雨垂れ石を穿つ貴醸酒〝／300“プロジェクト」をスタートします。このプロジェクトでは、通常の醸造方法とは異なり、水の代わりに前年に醸造された日本酒を使用し、深い味わいを目指します。

2022年から合計30年間にわたって続くこの挑戦は、毎年の醸造によって生まれる新たな貴醸酒を次世代へと繋いでいくものです。第一弾として、2022年の「雨垂れ石を穿つ」で貴醸酒2022が製造されました。2023年にはその貴醸酒を用いて、より奥行きのある味わいを目指した貴醸酒2023が醸造される予定です。

特に注目すべきは、2013年の台風による洪水被害から生まれた「雨垂れ石を穿つ」です。この時、奇跡的に収穫できた契約栽培米を使用し、江戸時代の醸造法である「十水仕込」によって醸造されました。この手法は、少ない水を使って米の旨味を最大限に引き出す方法です。

「萩乃露十水仕込雨垂れ石を穿つ貴醸酒 2022」は、720mlで価格は2,000円（税込2,200円）、発売は2023年7月8日を予定しており、限定600本の販売となります。この商品は、伝統と革新をテーマにした酒造りを象徴しています。

萩乃露は、地元の風土と文化を感じられるお酒作りを通じて、次世代の酒造りの精神を継承することを目指しています。30年間の長い旅路を共にしながら、独自の醸造プロセスから生まれる深い味わいが、日本の酒文化を更に豊かにしてくれることでしょう。

このプロジェクトは、単なる酒造りに留まらず、地域の特色や歴史を尊重し、現代の食文化に合った新たな挑戦の一環です。日本酒を愛する人々にとって、この貴醸酒は特別な体験となり、これからの新たな楽しみを提供してくれるはずです。創業300年を迎える際には、どのような新しい味わいが誕生しているのか、今から楽しみでなりません。