介護フォーラムレポート
2025-11-19 13:46:05

国連主催国際介護フォーラムの現場レポートと日本の未来

国際介護フォーラム登壇レポート



イチロウ株式会社の代表取締役、水野友喜氏は、韓国・ソウルで開催された国連女性機関主催の「国際介護フォーラム」に参加しました。このフォーラムでは、日本が抱える介護の課題や、企業の取り組みについて主に議論が交わされました。フォーラムにはアジア各国のスタートアップ、政策担当者、投資家が集まり、無償介護や介護人材不足、ケアテックの動向について情報を共有し、意見交換が行われました。

1. 女性に偏る無償介護がもたらす経済的影響



国連女性機関は、無償で行われる介護が主に女性に偏っていることが経済成長を阻害していると指摘しています。特に、介護が職業として認識されていないため、社会的評価が低く、公的サービスだけでは解決が難しいという問題があります。さらに、投資家が介護の社会的インパクトを理解していないため、資金が流れにくい現状もあります。

UN Womenが提示した「6つのR」として、「Recognition(認識)」「Reduction(削減)」「Redistribution(再分配)」「Representation(代表性)」「Reward(報酬)」「Resourcing(資源投入)」があり、特に資源投入の重要性が強調されました。

2. アジアの介護市場の現状



アジアの高齢化は急速に進行しており、各国で異なる課題が存在します。日本や韓国は超高齢社会に突入し、AgeTech(高齢者向けテクノロジー)が発展中です。一方、中国やタイは急速に高齢化しているものの、スマートケアプラットフォームの拡大とニーズとのギャップが課題となっています。東南アジアでは、初期の高齢化が進んでおり、在宅介護の需要が高いですが、公的な介護制度は未整備な状況です。

各国の動向


  • - インドネシアでは在宅介護が主流で、AI診断や遠隔モニタリングの導入が進んでいます。
  • - ベトナムでは、介護インフラが未整備な中、在宅ケアのDXや標準化が求められています。
  • - マレーシアのKiloCareは、デジタルケアIDを活用し、ライフケアプラットフォームを進化させています。
  • - 中国は長期介護保険と在宅ケア政策を進めており、シルバーエコノミーのデジタル化が進展。
  • - タイでは、520億ドル規模の市場でAIマッチングが進行。
  • - 韓国ではΩ型のスマートケア基盤が確立されています。

3. 日本の介護の未来



水野氏は、日本が直面する介護人材不足や公的サービスの縮小の問題を強調しました。現在、毎年10万人以上の人が介護のために職場を離れ、経済的損失は年間で9兆円に達しています。彼は、この課題がアジア各国でも将来的に共通の問題となることを指摘しました。

日本では2040年までに介護人材が69万人不足すると予測されており、特に女性が過度な負担を強いられる状況が続く可能性があります。水野氏は、イチロウの取り組みとして、即時マッチングシステムや、全国に広がる介護従事者ネットワークを紹介しました。介護従事者の報酬を市場平均より40%高く、利用者には60%安く提供する仕組みを構築することで、公的サービスの隙間を埋める持続可能な支援を目指しています。

4. フォーラムを通じての気づき



本フォーラムで顕著だったのは、ケアが今後の投資成長分野として位置づけられつつある点です。各国のスタートアップは競争ではなく、協力して共通の基盤を作る段階にあり、AIと介護の連携が最重要テーマとして浮上しました。企業によるケア支援も加速しています。

5. 水野の視点



水野氏は、フォーラムを通じて現場での経験を活かした見解をnoteで公開しています。アジアの介護の課題や希望が込められた内容をぜひご覧ください。
水野友喜のnote記事はこちら

6. まとめ



国際介護フォーラムを通じて、ケアが社会の中心であるという認識が高まっています。日本の介護課題は他国にとっても重要な視点となり、イチロウのモデルもグローバルに活用できる可能性があることが示されました。この新たな視点から、アジア各国と連携し、介護職の社会的評価を高めていく必要があります。


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会社情報

会社名
イチロウ株式会社
住所
東京都渋谷区渋谷2-2-17トランスワークス青山
電話番号

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