現代社会の不安3大要素とは?築地本願寺が1200人にアンケート調査!
築地本願寺は2024年1月に、全国の18歳~79歳の男女1200人を対象に「不安に関する調査」を実施しました。
現代社会において、人々は様々な不安を抱えています。築地本願寺は、人々が抱えている不安を正しく理解し、寄り添えるお寺を目指し、この調査を実施しました。
調査では、人々が抱える不安の3大要素として、「金銭的不安」「健康不安」「災害への不安」が挙げられました。特に、女性では18歳~50歳まで「経済的な不安」が上位にランクインしました。男性においても経済的な不安は高い傾向にありますが、40代以降は「自身の身体の健康」が上位となりました。
また、2023年に不安を強めた出来事として、40代~50代では「物価高」、60代以上では「世界情勢」「自然災害」が上位に挙げられています。特に、40代~50代の女性は「値上げラッシュ・物価高」に大きな不安を感じているようです。
さらに、不安が実際に生活に支障をきたしている割合は、男女ともに40代以下で高い傾向にあることもわかりました。
死への不安、宗教への信頼は?
調査では、死に対する不安についても分析されました。最も多い不安は「痛みや苦しみがあること」で、次いで「家族や友人との別れ」「自分が死ぬと自分はどこへ行くのか」という不安が挙げられました。全体として、女性の方が男性よりも死に対する不安が強い傾向にあるようです。
一方、宗教やお寺が「心の拠り所になる」と回答した人は全体の2割程度にとどまりました。比較的比率が高いのは60代女性で、男性30代も宗教やお寺に対してポジティブな傾向が見られました。
築地本願寺が考える解決策
築地本願寺は、今回の調査結果を受け、人々の不安に寄り添うための様々な施策を検討しています。
具体的には、孤独解消のための社会インフラとなること、築地本願寺の空間や仏教活動を通じて、孤独な人がポジティブな気持ちで誰かとつながる機会を提供することなどを考えています。
また、日常から幸せを感じ取る力を学ぶ手助けをすることで、築地本願寺との距離を縮めることや、趣味の集いや社会貢献活動などを提供することで、み教えに興味を持ってもらうことも検討しています。
築地本願寺は、今後も人々の不安に寄り添い、心の拠り所となる存在であり続けたいと考えています。
現代社会の不安、そして心の拠り所としての宗教
築地本願寺が行った不安に関する調査は、現代社会が抱える複雑な問題を浮き彫りにしています。経済的な不安、健康不安、災害への不安、そして死への不安。これらの不安は、私たちの生活に様々な影響を与え、時には心の重荷となってしまいます。
調査結果から特に興味深いのは、40代以下において不安が生活に支障をきたしている割合が高いという点です。社会に出たて間もない世代や、子育てや仕事、介護など様々な責任を負う世代にとって、不安はより深刻な問題となっているのかもしれません。
また、宗教や寺院が「心の拠り所になる」と回答した人が2割程度にとどまったことは、現代社会における宗教の役割について改めて考えさせられます。かつては宗教が人々の生活に深く根ざしていましたが、現代では個人が様々な価値観を持つようになり、宗教への関心が薄れているのかもしれません。
しかし、今回の調査結果が示すように、人々は依然として心の支えを求めています。築地本願寺が提示した解決策は、宗教的な教えを押し付けるのではなく、人々が集い、交流し、心を安らげる場を提供することです。
現代社会において、宗教は従来のような権威ある存在ではなく、人々の心を支えるための温かい存在として、その役割を再定義していく必要があるのかもしれません。築地本願寺が示した取り組みは、宗教が現代社会においてどのように人々に寄り添うことができるのか、そのヒントを与えてくれるでしょう。