アユの運命を解明
2025-05-30 14:33:47

長良川のアユ産卵親魚生涯履歴解明の新成果!運命を変える孵化タイミングとは

近年、岐阜大学環境社会共生体研究センターの研究チームが、長良川におけるアユ産卵親魚の生涯履歴を解明することに成功しました。この研究により、アユの生まれる時期がその後の生活環境や成長に大きな影響を与えることが明らかになりました。特に、アユの孵化時期や川への遡上タイミングが、どの水域で成長するかに関係していることが判明しました。これにより、河川環境の整備やアユの資源管理への新たな知見がもたらされることが期待されています。

研究背景


日本において、アユは重要な水産資源として知られていますが、その生態についての詳細な研究はこれまで十分ではありませんでした。特に、アユの生息場所や成長場所については未知の部分が多く、長年にわたってアユ研究のミステリーが解き明かされることはありませんでした。

アユは秋の産卵期に下流へと移動し、広い流域から集まる特性がありますが、その動きや成長に関するメカニズムは明確ではありませんでした。今回、この問題に立ち向かう形で行われたのが、岐阜大学を中心とした研究チームによる最新の研究です。

研究方法


2022年の秋、岐阜県長良川の下流部において、漁師の協力を得てアユ親魚133尾を捕獲し、耳石を取り出して分析を行いました。耳石は成長と共に年輪のような構造を形成するため、魚の成長過程についての重要な情報を提供します。この耳石を基にストロンチウム同位体比を測定し、アユの孵化した場所やその後の生息地を推測しました。

初めて、アユの生涯履歴を解読する手法が確立されたことで、アユの天然遡上の頻度や生息場利用のパターン、さらには早生まれの個体と遅生まれの個体の違いについても具体的なデータが得られました。

研究成果の意義


この研究によって、アユの約90%が天然遡上由来であり、放流由来はわずか10%であることが確認されました。さらに、天然遡上アユには5つの異なる生息場利用パターンがあることが分かり、特に本川上流域や中流域の重要性が浮き彫りになりました。

また、早生まれのアユが優先的に本川を利用し、遅生まれのアユが支川に成長場所を求める傾向があることも発見されました。これにより、川の生態系における流域連携と生存環境の維持がいかに重要であるかが強調される結果となりました。

今後の展開


今後、この研究結果を活用してさらに詳細な調査を行い、アユの成長段階における影響要因や他の河川環境との関係を探っていきます。特に、気候変動がアユの生涯に与える影響を考察することで、持続可能なアユの資源管理や河川環境整備に貢献することを目指しています。

この研究は、環境再生保全機構や岐阜県の支援を受け、岐阜大学が共同で行った重要なプロジェクトであり、今後の河川環境保全のための基礎データとなることが期待されています。


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