PAO TECH Labs、JPYCを活用したDeFiエコシステムの新構想を発表
シンガポールを拠点とするPAO TECH PTE. LTD.が、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC」を活用した分散型金融(DeFi)エコシステムの構築に着手しました。これは、近年急速に発展するDeFi市場において日本の金融インフラを強化し、グローバル経済ネットワークにおける位置づけを高める重要なステップです。
JPYC DeFiエコシステム構想の概要
PAO TECH Labsは、JPYCを中心にした複数のプロジェクトを推進します。主な施策として、JPYCの貸借マーケット、運用Vault、および固定金利マーケットの構築が挙げられます。これにより、JPYCの利用が促進され、長期的な運用実績を積むことが期待されます。
1. JPYC貸借マーケットの構築
JPYCを担保に暗号資産を借りられるマーケットがEuler FinanceおよびMorphoとの連携により構築されます。Morphoは、約5Bドルの預かり資産を有し、これまでにない新しい流動性を提供することが期待されています。これにより、JPYC保有者はDeFiで資産をより活用しやすくなります。
2. 運用Vaultの展開
次に、JPYCを担保としてUSDCを借入れ、IPOR Fusion上で運用戦略が実行できるVaultが導入されます。このシステムにより、JPYCから得られるリターンがJPYC建てで還元されるため、保有者は円建てで利回りを確保できる環境が整います。
3. 固定金利マーケットの実現
JPYCを基盤にした固定金利商品の提供を目指し、Napier Financeとの協力が進められます。このマーケットにより、企業や個人は為替変動リスクを感じることなく、安定したリターンを得ることができるでしょう。
4. 法人向けウォレットの拡充
JPYCのビジネス利用を加速させるために、ウォレットおよびカストディ業者との連携が計画されています。特に、double jump.tokyoの法人向け分散鍵管理ウォレット「Nsuite」との連携によって、JPYCを用いたレンディング市場へのアクセスが容易になります。
将来の展望
PAO TECH Labsは、JPYCを通じた日本発の新たな金融インフラを構築し、日本企業や DAOが円建てでグローバル市場と接続できるような実用的なプラットフォームを提供していきます。これからの取り組みにより、JPYCが「使われる通貨」として、世界のDeFiシーンでの新しい価値を創造することが期待されています。
代表のコメント
PAO TECH PTE. LTD.のCEOである高橋元樹氏は、「私たちはJPYCが全球のDeFiエコシステムで使われる通貨になる未来を本気で目指しています。円で借りられ、運用でき、利回りが得られる金融体験を提供することは、日本経済全体にとって重要です。」と述べています。このように、JPYCを中心にした新たな金融エコシステムの発展に注目が集まっています。