オンライン診療の現状と課題
日本でのオンライン診療は、新型コロナウイルスの影響を受け、急速に普及しています。京都市に本社を置く日本テレネット株式会社は、この流れに注目し、オンライン診療に携わる医療従事者を対象に「オンライン診療の現状と課題」に関する調査を実施しました。以下に、その調査結果の全容をお伝えします。
調査背景
調査は2024年9月26日から10月1日まで行われ、328名の医療従事者に対してインターネットを通じて実施されました。総務省の「令和4年版 情報通信白書」によると、2021年中頃時点でのオンライン診療導入率は全体のわずか15%であり、その普及はまだ十分とは言えません。一方で、オンライン診療は患者と医療従事者双方にとって利便性が高く、効率的な診療手段となり得るとされています。
調査結果の概要
オンライン診療を始めた医療機関の状況
調査の結果、オンライン診療を行っている医療機関の半数以上(約53%)は、直近3年以内にこのサービスを導入したことが明らかになりました。これは、コロナ禍における影響を反映した結果ともいえます。さらに、全診療におけるオンライン診療の実施割合は20%未満である医療機関が95%以上を占めており、まだ普及の途中段階にあることも浮かび上がりました。
診療時間の変化
オンライン診療において、対面・訪問診療と比較した際の診療時間についても調査が行われました。47%の医療機関が「変わらない」と回答した一方で、約30%はオンライン診療によって診療時間が50%未満に短縮されたと感じていることが分かりました。このことは、オンライン診療における効率性を示唆しています。
費用に関するデータ
オンライン診療にかかる毎月の費用について調査したところ、約70%の医療機関が「1万円未満」と回答しており、経済的な負担は比較的少ないと考えられます。しかし、オンライン診療を始めるための準備が必要であり、その時間を要することが課題として浮かび上がりました。
課題認識
調査において、多くの医療機関がオンライン診療を導入する際の課題を感じていることが分かりました。特に「患者への操作説明に時間を要する」という意見が40%を超え、通話品質に関する懸念も示されています。これらの課題は、医療機関だけでなく、患者にとっても影響が出る部分です。
オンライン診療導入による影響
最後に、オンライン診療の導入後に診療件数がどう変化したかという質問では、56%の医療機関が「変わらない」と回答しましたが、約25%が導入後の診療件数の増加を感じていることが明らかに。このデータは、オンライン診療が一定の効果をもたらす可能性を示しています。
まとめ
今回の調査により、オンライン診療は医療機関において徐々に浸透しているものの、全体の診療の中ではまだ限られた割合に留まっていることが分かりました。今後も課題を整理し、患者側のニーズに応じたサービスの改善が求められるでしょう。日本テレネットが提供するビデオ通話サービス「LINX Chat」など、オンライン診療をサポートする新しい技術の導入は、今後の進展の鍵となるでしょう。