栗田工業、ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」に本格参画!
宇宙開発スタートアップ企業のispaceは、栗田工業株式会社が「HAKUTO-R」プログラムのコーポレートパートナーに新たに参画したことを発表しました。これにより、両社の連携がさらに強化され、将来的な月面での水処理システムの実現に向けて協業を進めていく予定です。
栗田工業は、これまでispaceの「HAKUTO-R」プログラムをサポーティングカンパニーとして支援してきました。今回のコーポレートパートナーへの昇格により、より緊密な関係を築き、月面着陸船に水処理システムを搭載することを目指します。
ispaceは、「Expand Our Planet, Expand Our Future」というビジョンのもと、地球と月の間の空間(シスルナ)に経済圏を構築することを目指しています。シスルナ経済圏では、宇宙ステーションや月面基地の建設、人類の長期滞在、資源採掘や製造活動などが行われる予定です。これらの活動において、水資源の管理と再利用は不可欠であり、月面で水資源を効率的に利用するための技術開発が重要となります。
栗田工業は、長年培ってきた水処理技術を活かし、ispaceのミッション2に搭載される月面用水電解装置に超純水を供給しています。月面では、現地資源から水を採取し、浄化・精製する技術が求められます。栗田工業の水処理技術は、地球からの水の輸送コストを大幅に削減し、月面での経済活動の効率化に貢献すると期待されています。
宇宙における水の重要性と栗田工業の技術
宇宙空間では、水は生命維持、実験、燃料、放射線遮蔽など、様々な用途に使用されます。月面でも、水資源は貴重な資源であり、その利用は、月面経済圏の構築において重要な役割を果たします。
栗田工業は、国際宇宙ステーション(ISS)における水再生システムの開発にも携わっており、非宇宙関連の民間企業として、日本で初めて軌道上実証を成功させています。この経験と知見を活かし、月面経済圏を見据えた水処理システムの開発を加速させることで、宇宙産業における水のリーディングカンパニーを目指しています。
ispaceの今後の計画
ispaceは、日本、米国、欧州の3拠点で活動しており、グローバルな視点で宇宙開発を進めています。
最速2025年1月には、日本法人が主導するミッション2を実施予定です。
2026年には、米国法人が主導するミッション3を実施予定です。
* 2027年には、日本で開発中のシリーズ3ランダーを用いたミッション6を実施予定です。
これらのミッションを通じて、ispaceは月面探査と月面輸送サービスの提供、月面データサービスの提供などを行い、月市場への参入をサポートしていく予定です。
今後の展開
栗田工業とispaceの連携は、月面での経済圏構築に向けて、重要な一歩となります。両社の技術力とノウハウを融合することで、宇宙における水の利用技術が大きく進歩し、持続可能な宇宙活動の実現に貢献すると期待されます。