三重県明和町で、地域の伝統行事である大淀祇園祭が新たなスタイルで注目を集めています。11月3日(土)から4日(月・祝)に開催される特別イベントでは、大淀地区の伝統行事で使用される山車の一つである三世古の山車が「さいくう平安の杜」に展示されることになりました。この取り組みは、これまでの大淀祇園祭以外での山車の出現としては初めての試みです。
イベントのプログラムには、お囃子や引手を伴いながら、祭りの雰囲気を楽しむパフォーマンスが予定されており、まるで本番の祭りがそのまま会場に飛び出してきたかのような体験を提供します。山車の登場は、13時から15時の間に復元道路上を練り歩き、その後、16時から21時の間に平安の杜内に展示されます。
大淀祇園祭の現状
明和町内で開催される祭りの中で、大淀祇園祭は斎王まつりと並ぶ重要なイベントです。地元から観光客まで幅広い支持を受けているこの祭りは、町指定の民族無形文化財としてその歴史を誇っています。しかし、少子化や担い手不足が進行する中、最近では若者が参加しづらくなっている現状があります。これまで山車を引いていた若い世代の姿が少なくなり、OBなどの協力を得て何とか祭りを支え続けている状況です。
更に、ザ大淀地区だけでなく、明和町全体で担い手不足が深刻化しており、一部の伝統行事は開催すらも難しい状況に直面しています。これを踏まえ、明和町全体として文化や行事を継承する意識を持ち、持続可能な方法で次世代に伝えていくことが求められています。
伝統行事の魅力発信に向けて
明和観光商社は、11月2日(土)から4日(月・祝)の間、プロジェクションマッピングや薪能を行うイベントを開催し、その中に山車を利用したパフォーマンスを盛り込むことで、明和町の伝統行事の魅力を国内外に発信することを目指しています。このイベントは単なる観光誘客にとどまらず、地域の文化を広く知ってもらう重要なステップとなります。
特に、これまで大淀祇園祭に接する機会がなかった新しい客層に向けた情報発信が行われ、地域間の相互理解を促進することも意図されています。これにより、明和町の独自文化が新たなフェーズへと移行していくのです。
地域への誇りを醸成する取り組み
このようなイベントを通じて、明和町は大淀祇園祭の持つ魅力を再確認し、地域住民に地域への誇りや郷土愛を育む手助けをしたいと考えています。未来を担う新しい世代がこの文化に触れることで、自然と担い手が生まれることが期待されています。
明和観光商社は今後も、地域の歴史や文化を活かした持続可能な観光地域を作り上げるために、地域の各団体と連携して課題解決に取り組んでいく予定です。明和町の魅力を国内外に発信し続けることで、町の認識が高まることを目指しています。
イベント詳細
13:00~15:00 さいくう平安の杜前・復元道路上を練り歩き
16:00~21:00 平安の杜へ移動後、正殿東側に展示
【名称】国史跡斎宮跡 平安絵巻 プロジェクションマッピング 2024
【日時】2024年11月2日(土)・3日(日)18:00〜21:00
【会場】さいくう平安の杜(三重県多気郡明和町斎宮2800)
【内容】荘厳なプロジェクションマッピング映像を投影
【料金】500円(税込)・事前予約不要
【名称】斎宮奉納薪能
【日時】2024年18:30開場、19:00開演
【会場】さいくう平安の杜
【料金】5,000円(税込)・事前購入が必要