浜松の工務店が見せた「縮小市場での逆転劇」
静岡県浜松市に本拠を置く株式会社LIFEFUNDは、過去10年で売上を2.2億円から26.4億円まで12倍に成長させた。これを背景に、新設住宅着工件数が減少する厳しい市場環境の中でもなぜ逆転劇を演じられたのかを探ってみたい。
住宅市場の縮小とLIFEFUNDの成長
国土交通省のデータによれば、2023年度の新設住宅着工戸数は約82万戸。これは1996年度の約163万戸の半分以下であり、人口減少も影響してこの傾向は今後も続くと予想されている。このような社会背景の中で、LIFEFUNDは異例の成長を遂げた。
代表取締役の白都卓磨氏は、2026年1月26日に「LIFEFUND BLUEPRINT 2036」を発表予定であり、2036年までに売上150億円、年間供給棟数436棟、一人当たり売上1億円を目指すと掲げている。これは人口減少に対応した地域課題を解決するための高度なビジネスモデルの構築を意味している。
地域課題に立ち向かう企業
LIFEFUNDはただの住宅会社ではなく、地域全体を見据えた企業へと進化を遂げている。人口減少の影響で住宅の需要が変わり、年間150万件以上の相続が発生している現在、空き家問題やインフレなど、地域社会を揺るがす課題に向き合っている。これらの課題を解決するために、同社は「地域価値創造モデル」の構築を目指している。
10カ年ビジョン
「LIFEFUND BLUEPRINT 2036」は、長期的に地域の支援を行うための設計図である。このビジョンには、売上150億円、年間436棟の供給をはじめ、社員一人当たりの売上目標1億円を設定し、住宅、不動産、相続、AIの4領域を統合した事業展開が含まれている。
成長の理由
LIFEFUNDがこの厳しい市場環境の中で成長している理由は3つの戦略に集約される。まず一つ目は、地域ニーズに応じた「三層のブランド戦略」である。高付加価値のフルオーダー住宅を提供する「ARRCH」、中価格帯の住宅ブランド「PG HOUSE」、さらには空き家を再生する中で地域経済に貢献する事業が組み合わさっている。
二つ目は、「建築と不動産と相続の統合モデル」である。これにより、LIFEFUNDは家族が直面する問題を一貫してサポートし、地域の生活基盤を支えている。
三つ目は、「AI経営の導入」である。LIFEFUNDはAIを業務効率化のツールとしてではなく、経営の基盤として捉え、日常業務の多くを再設計した。同社は、優れた社員に報酬を還元することで、地域の人材を確保することに成功している。
具体的な取り組み
LIFEFUNDは「建築AI経営研究会」を設立し、自社のノウハウを他の建築会社と共有している。このように、他社と共同で地域を支える仕組みを構築していることで、地域全体の成長を目指す姿勢が伺える。空き家や遊休地を利用した民泊事業なども、地域に新たな価値を提供している。
代表の決意
白都氏は、LIFEFUND BLUEPRINT 2036は単に会社を大きくするための計画ではなく、地域に生きる人々の人生を真正面から支えるためのものであると強調している。その思いを実現することで、安心して住み続けられる地域社会を築き上げることがLIFEFUNDの使命である。
結論
株式会社LIFEFUNDの取り組みは、ただ建設業界の成長を目指すものではなく、地域全体をより良くするための改革である。今後の展開から目を離せない。