大相続時代における土地資産の流れ
近年、不動産市場では「大相続時代」と呼ばれる新たな局面が訪れています。日本における団塊の世代が80代に突入する中、今後150兆円規模の資産が相続される見通しです。この状況を受けて、TRUSTART株式会社は相続に伴う土地資産の移動と売買動向をまとめた「第14回不動産ビッグデータ分析レポート」を発表しました。このレポートは、相続が発生した土地がどのように地域間で移動しているのかを詳しく解明しています。
1. 土地資産の地域間移動
まず注目すべきは、相続による土地資産の移動が年間約5.4兆円に達している点です。これにより、特に東京都や大阪、兵庫といった都市部での資産流入が顕著に見られます。地方から都市部への流出が年間約2兆円に上ることが予測され、これは都市部に居住する相続人が地方の土地を相続するケースが多くなっているからです。これにより、地方はさらなる資産流出の可能性があると言えます。
2. 売却意向の要因
相続人が相続した土地からの距離が売却意向に与える影響も非常に興味深い結果を見せています。調査によれば、相続人の居住地が物件から離れれば離れるほど、相続後1年以内に売却する意向が高まることが分かりました。具体的には、同一の町丁目に居住する相続人の売買率は約1.8%であるのに対し、県外在住者の場合は11.3%にも上ります。このことから、遠方に住む相続人は居住用として物件を維持するよりも、早期に処分したいと考える傾向が強くなるのです。
3. 交通利便性と売却率
また、相続した土地の売却には交通の便も影響を及ぼします。調査データによれば、駅からの距離が1kmから2km圏内にある物件は、相続後1年以内の売買率が高まるという傾向が見られました。一般的には「駅に近いほど良い」という考え方が広まっていますが、相続に関しては距離が物件の「売買のしやすさ」に変わることが明らかになりました。
まとめ
このように、「大相続時代」における膨大な資産の移動が、地域間の不動産市場や経済に与える影響は計り知れません。TRUSTARTは、このデータを活用し、不動産市場の適正化や、地域活性化に向けた取り組みを進めていきます。このレポートは、公表されているデータとして誰でもダウンロード可能ですので、興味のある方はぜひ一度目を通してみてください。不動産や金融業界に関わる皆様にとって、非常に有益な情報が盛り込まれています。