陸上植物の進化を解明
2025-10-27 22:34:29

陸上植物の細胞分裂を制御する新たなメカニズムを発見

研究の背景



陸上植物の進化は、私たちの地球環境や生態系において重要なテーマです。特に、植物が水生から陸生に適応していく過程は、細胞の分裂や成長を通じて示されます。この理論を深く理解するために、名古屋大学と岡山大学および神戸大学の研究チームが協力し、新たな研究成果を発表しました。

CORD遺伝子の重要性



この共同研究により、科学者たちはCORD遺伝子が細胞の分裂方向をコントロールする役割を果たすことを発見しました。具体的には、CORD遺伝子から生成されたタンパク質が、中心体を持たない植物細胞内で、紡錘体の配置を安定化させることで、細胞が正しい方向に分裂できるように支援していることが示されています。これにより、細胞が正確に分裂し、植物の成長や発達がスムーズであることが保証されるのです。

研究手法と結果



この研究では、基部陸上植物のゼニゴケと被子植物のシロイヌナズナを使用しました。これらのモデル植物を通じて、細胞分裂の際に特に重要な役割を果たすCORD遺伝子の挙動を観察しました。研究成果により、CORD遺伝子が生物の進化においてどのように機能しているかを理解する新しい視点が得られました。この結果は、植物が進化する過程を解明し、陸上植物の成り立ちについての新しい手掛かりを提供します。

未来への影響



この成果は、陸上植物が水生から陸上へと進化する過程の理解を深めることに寄与し、植物科学の新たな方向性を示すものです。また、この知見が進化科学や環境学、さらには農業技術にどのように応用されるかが注目されます。

論文の掲載



本研究の成果は、2025年9月13日に米国の科学誌「Current Biology」において掲載され、タイトルは「The conserved machinery of bipolar prospindle formation controls acentrosomal spindle orientation in land plants」です。著者には名古屋大学の佐々木武馬助教や岡山大学の本瀬宏康准教授、神戸大学の石崎公庸教授などが含まれています。

研究の意義



岡山大学の研究機関が中心となり進めたこの研究は、植物の進化に関する基礎的な理解を深めるだけでなく、持続可能な未来のための新しい農業戦略や、植物を用いた環境保護技術の開発にもつながる可能性があります。今後、この研究から導かれる知見が、環境問題や食糧問題解決に寄与することが期待されます。

研究体制と連携



名古屋大学、岡山大学、神戸大学の連携によって進められたこのプロジェクトは、異なる大学の専門知識を集約することで、革新的な結果を生み出しました。科学の発展には多角的なアプローチが必要であり、このような協力が新たな発見につながることを示しています。今後も、科学界での協力が重要な役割を果たすことでしょう。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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