日台連携で食品サプライチェーンの持続可能性と輸出入拡大を促進!
日本の一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)と台湾の台灣優良食品發展協會(TQFA)は、2024年6月26日に台湾で開催された食品産業専門見本市「FOOD TAIPEI 2024」において、食品サプライチェーン全体の持続的な発展と社会的責任に関する取り組みを支援するため、2つのパートナーシップ協定を締結しました。
この協定は、両国の食品事業者の社会的責任の遂行と食品安全を促進することを目的としており、日台の関係強化に大きく貢献すると期待されています。
2つの協定で日台食品事業の連携強化
今回の協定は、「社会的責任(SSC)事業連携」と「食品安全マネジメント規格JFS-B Plusをベースにした規格運用の合意」の2つから構成されています。
「社会的責任(SSC)事業連携」は、JFSMが長年培ってきた食品安全規格の開発・運営に関する知見や経験を生かし、企業の社会的責任(CSR)に関する活動を推進するための事業です。JFSMとTQFAは、この協定を通して、両団体がこれまで行ってきた食品安全事業に新たにSSC事業を加え、日台の食品事業者の信頼性を包括的に高める活動を支援していきます。
「食品安全マネジメント規格JFS-B Plusをベースにした規格運用の合意」は、国際標準の能力向上プログラムに対応するJFS-B Plus規格をベースに、TQFAが新たに「Trans Pacific Food Safety規格」を開発するというものです。両規格は取得時点で相互承認される方針で、日本と台湾の輸出入をより促進し、両国の食品事業者がグローバルに拡大する機会を創出することを目指しています。
持続可能な食品サプライチェーンのための取り組み
JFSMは、持続可能なサプライチェーン評価プラットフォーム(Sustainable food Supply Chains Assessment Platform)を開発し、2024年10月に運用開始予定です。このプラットフォームは、ISO 26000(社会的責任に関する国際規格)を再整理し、企業の実態に合わせた質問に回答することで、企業のCSRへの取り組みを可視化できる自己評価ツールです。企業は、このツールを活用することで、現状の把握と課題の導出を行い、より持続可能な事業活動を進めることができます。
台湾優良食品發展協會(TQFA)について
TQFAは、1989年に政府主導で設立され、現在では独立した非営利団体として活動しています。当初は経済部工業局(IDB)が台湾の食品産業の健全な発展を推進するために認証プログラムを開始しましたが、官民協力の時代を経て、現在は民間団体として、食品産業の自主管理の有効性を検証するために公正かつ客観的な第三者認証制度を採用したTQF認証プログラムを運営しています。
一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)について
一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)は、国際標準に整合する日本発の食品安全マネジメント認証・適合証明プログラム「JFS規格」の開発運営団体です。JFSMは、規格の提供だけでなく、食品事業者や監査認証事業で活躍できる人材育成や、国際標準のルール策定にも積極的に取り組んでいます。
JFS規格とは
JFS規格は、JFSMが開発・運営する食品の安全管理の取り組みを認証する規格で、2016年に公開されました。現在、食品製造やフードサービスのオペレーションを対象とした認証規格や適合証明規格を6つ運用し、国内外で2600以上の組織が登録しています。
JFS規格は、日本国内のHACCP制度化に対応でき、すべての食品製造事業者にとって取り組みやすいステップアッププログラムであるJFS-A/B/B Plus適合証明規格、Global Food Safety Initiative(GFSI)からアジア・オセアニア地区で初めて承認を受けたJFS-C規格認証、外食・中食・給食向けのJFS規格(フードサービス)、多店舗展開事業者版であるJFS規格(フードサービス・マルチサイト)など、多様な規格を運用しています。
まとめ
今回の協定は、日台両国の食品事業者にとって、社会的責任を果たしながら持続可能な事業活動を推進し、グローバルな市場へ進出するための重要な一歩となります。JFSMとTQFAは、今後も連携を強化し、日台の関係強化と食品産業の発展に貢献していきます。