ノバルティス、循環器領域向けにAnthos Therapeutics社を買収へ
ノバルティス、Anthos Therapeutics社買収を発表
スイスの製薬会社、ノバルティスは2025年2月11日、ボストンに拠点を置くバイオ医薬品企業Anthos Therapeutics社の買収に合意したと発表しました。この買収は、同社の循環器領域の開発後期パイプラインの強化を図るもので、特に心房細動患者に関連する新薬を進める目的があります。
Anthos Therapeutics社とは
Anthos Therapeutics社は、ファーストインクラスのモノクローナル抗体であるabelacimabの開発を手掛けている企業です。この抗体は、XI因子阻害を介して行動する抗凝固薬として設計され、心房細動患者の脳卒中や全身性塞栓症の予防に期待されています。現在、同薬は第Ⅲ相の臨床試験に進んでおり、これまでの研究で出血イベントのリスクを有意に減少させる結果が示されました。
買収の背景と意義
ノバルティスは、心血管の疾患に対する治療法を強化することを戦略の一環としています。Anthos Therapeutics社の技術を取り込むことで、同社の循環器領域での立場を確立すると同時に、患者に対する新たな治療手段の提供が期待されます。ノバルティスの開発部門の責任者、Shreeram Aradhye氏は、「abelacimabの開発を進めることにより、多くの心疾患を抱える患者に対して画期的な治療薬を提供できることに喜びを感じている」と述べています。
買収の詳細と今後の展望
今回の合意に基づき、ノバルティスは、前払い金として約9億2,500万米ドルを支払うことになります。この金額のほかに、特定のマイルストーン達成に応じて最大で21億5,000万米ドルが追加で支払われる可能性があります。買収は、通常の手続きが完了した後、2025年の上半期内に完了する見込みです。
Abelacimabに関しては、2022年にはがん関連の血栓症に対して米国FDAからファストトラック指定を受けており、今後さらなる臨床試験が期待されます。David Soergel氏は、この薬が現行の標準治療薬に対して有効かつ安全な選択肢となることを期待しており、ノバルティスの使命がより一層果たされることを願っています。
ノバルティスの将来
ノバルティスは、従来の治療方法に革新をもたらすことで、世界中の患者にとってより良い未来を創出することを目指しています。今回の買収は、その戦略の一部であり、今後も新薬の開発に向けた挑戦を続けていくことでしょう。ノバルティスの医薬品は、すでに2.5億人以上の患者に提供されており、新たな買収により、この数字がさらに増える期待が寄せられています。
詳細や最新情報については、ノバルティスの公式ウェブサイトを訪問するか、関連する最新の資料をご参照ください。
会社情報
- 会社名
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ノバルティス ファーマ株式会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号虎ノ門ヒルズ森タワー
- 電話番号
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03-6899-8000