祇園祭ごみゼロ大作戦
2022-07-07 11:00:12
大学生150名が参加する祇園祭のごみ問題解決プロジェクト2022
2022年の祇園祭ごみゼロ大作戦の取り組み
祇園祭は京都を代表する祭りで、国内外から多数の観光客が訪れます。しかし、祭りに伴う膨大な廃棄物も問題視されてきました。この問題を解決するために、2014年に始まった『祇園祭ごみゼロ大作戦』では、NPO法人地域環境デザイン研究所ecotoneや京都市、様々な業者が協力し、毎年実施されてきました。
特に前祭宵山の時期、多くの露店や屋台が並ぶことで、食品や飲料の容器包装が大量に発生し、周辺にはごみが散乱するため、それを削減するための取り組みが急務でした。毎年2,000名のボランティアが動員され、ごみの分別やリユース食器の使用の促進など、日本最大級の規模でのごみ減量が行われています。
2022年は、コロナの影響から3年ぶりに本格開催されるため、多くの観光客が予想される中、大谷大学から約150名の学生がボランティア活動に参加しました。彼らは、自らの学びを通じて地域課題に真正面から向き合い、積極的に貢献することを決意しました。
ボランティアリーダーの思い
このプロジェクトを率いるボランティアリーダーの松山夏央さん(大谷大学社会学部)は、2年前にこの活動の説明を受けて感銘を受け、自らリーダーとして立候補したといいます。彼は、地元彦根の活性化を目指し、まずはこのプロジェクトに参加して実践的な経験を得たいと話しています。
松山さんは、参加者からごみを丁寧に渡されたり、応援の声をかけられたりすることで、地域との繋がりや温かさを実感しているようです。彼は、「多くの人が一つの目的に向かってごみ問題を学ぶことができる素晴らしい活動だ」と語っています。特に今年は、海外からの観光客も増えることが予想されており、より一層のごみ問題の重要性が増しています。
学生の取り組みと授業との関わり
本学では、地域づくりや環境問題に対する意識を高めるため、地域連携室(コミュ・ラボ)を設置し、学生と地域住民の共同による活動を進めています。『祇園祭ごみゼロ大作戦』は、問題発見型学習(PBL)の一環として、学生が自ら問題を解決する力を養う場として位置付けられています。また、専門の授業「人間学」では祇園祭に関する様々な視点からの学びが提供されています。
学生たちは、授業を通じて地域課題を考え、実地の活動に参加することで、経験を共有し、さらなる改善案をレポートとして発表します。これにより、彼らの環境問題への関心や責任感が高まっています。
活動の実績と未来への展望
『祇園祭ごみゼロ大作戦』は、毎年多くの成果を挙げています。プロジェクト開始前の2013年には約54トンものごみが発生していましたが、2014年以降、リユース食器の導入や分別の徹底により、ごみの量は約34トンにまで減りました。今年も多くの観光客が訪れることが予想されますが、ボランティアたちはそのごみをゼロに近づけるために引き続き努力していくことになります。
この活動は地元の活性化だけでなく、環境保全の大切さを伝える重要なプロジェクトとしてさらなる発展が期待されており、これからも続けられていくでしょう。
会社情報
- 会社名
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学校法人真宗大谷学園大谷大学
- 住所
- 京都府京都市北区小山上総町
- 電話番号
-
075-432-3131