飛騨市での棟上げ実習
岐阜県飛騨市において、2023年9月17日、大阪工業技術専門学校(OCT)の学生たちが伝統的な棟上げ実習に挑戦します。この実習は、木造建築の技術を学ぶ貴重な機会となり、地域の職人文化を体感する場ともなります。実習の特徴や目的について詳しく見てみましょう。
伝統的な棟上げ実習の概要
学生たちは、飛騨市文化交流センターの中庭にて、午前10時から午後2時までの間に棟上げを行います。まず、10時から12時30分にかけては、手作業で木材を組み上げる「建て方実習」が行われます。その後、13時30分から14時には「上棟式」が執り行われ、伝統的な儀式を通じて建物の安全を祈願します。
この実習は、現代の建築現場で一般的に使用される金属部品や重機を用いずに、昔ながらの技術を重視するものです。学生たちは、大工を目指して学ぶ仲間と共に、力を合わせて棟上げを行う中で、木造建築の基本技術や職人の精神を学びます。
大阪工業技術専門学校と飛騨市の連携
飛騨市とOCTの結びつきは、9月8日には「木造建築技術継承及び人材循環に関する包括連携協定」を締結し、今後の教育モデルを構築することを目指しています。この協定により、飛騨市の歴史的な町並みや職人技術を学ぶことで、地域社会と学生が共に育つ新しい形の人材育成が期待されています。
「匠のまち」飛騨市には長い間受け継がれてきた木造文化が息づいており、学生たちはその環境に身を置くことで、地域の職人や企業との関わりを持ちながら実践的に学ぶ機会を得ることができるのです。
実習の見どころ
この実習では、いくつかの特筆すべきポイントがあります。まず一つ目は、学生たちが木材を人力で組み上げる「伝統の建て方」。この工程では、学生たちが声を掛け合い、共に協力しながら大きな木材を組み立てていくダイナミックな風景が広がります。
二つ目は、カケヤ(木槌)を用いて木材を強く打ち込む、その音響。心地よい「コーン!」という音が現場に響き、職人の手仕事の本質を実感できます。
最後に、最近では省略されがちな「上棟式」を行うことで、建築と共に受け継がれてきた儀式や文化の重要性を改めて感じることができます。これにより、大工としての技術だけではなく、文化的な価値も同時に学ぶことが可能になります。
今後の展望
「1年目は大阪で基礎を、2年目は飛騨で実践を」という教育モデルが打ち出されており、実習を通じた学生たちの教育は今後も続いていきます。2026年の夏には、OCTの学生5名が飛騨市内の企業でインターンシップを行い、地域の職人技術に触れる機会が設けられる予定です。さらに、飛騨市が提供するスギ材を教材として使用する取り組みも進行中です。
このようにして飛騨市と大阪が連携し、地域と学生との交流を深めながら、木造文化を未来の世代へ受け継いでいく、「木造文化の人材交流拠点」を目指す試みは非常に意義深いものといえるでしょう。地域の課題解決にも寄与し、相互に寄り添った関係が築かれることで、木材や建築の文化が地方から全国へと広がっていくことに期待が寄せられています。
お問い合わせ先
飛騨市役所まちづくり観光課 電話:0577-73-7463
大阪工業技術専門学校 電話:06-6352-0091