yuni、環境省の研究開発支援事業に採択
株式会社yuniは、東京都渋谷区に本社を構え、廃棄物を素材に変えるプロジェクトを展開するスタートアップです。この度、環境省が実施する「イノベーション創出のための環境スタートアップ研究開発支援事業」に採択されました。この事業は、廃棄物の再生素材活用を推進し、地域における最適な素材循環を実現するためのAIマッチングシステムの開発を目指しています。
事業の背景と必要性
日本では、毎年約4,000万トンの一般廃棄物と3億7,000万トンの産業廃棄物が発生しています。特に寝具業界は年間で約1億枚の寝具が廃棄されており、リサイクル率はわずか2%という深刻な状態です。現状の資源循環システムには、廃棄物排出者と再生事業者のマッチングが非効率であること、コストが高く、低CO2の物流が実現しにくいこと、また、データに基づいたマッチングが不足していることが問題として挙げられます。
yuniの挑戦
yuniは2019年の創業以来、「日本を廃棄大国から資源大国へ」というビジョンのもと、焼却予定の廃棄物を回収して再生素材化するサービス「susteb」を展開しています。現在、全国に3つの再生工場を構え、地産地消型の資源循環モデルを推進しています。環境省からの資金支援を得ることで、さらに革新的な技術開発に取り組むことができるようになりました。
研究開発の内容
本事業では、以下の機能を持つAIエージェントの開発が計画されています。
1.
マッチングの最適化:廃棄物の種類や量をデータで分析し、再生技術との最適なマッチングを行う。
2.
経済性評価:輸送コストやCO2排出量を考慮し、地元と広域の素材循環の経済性を評価。
3.
用途開発支援:再生素材の特性を分析し、新たな用途の提案を行う。
4.
データ駆動型事業拡大:地方自治体や企業との連携を強化し、新しい工場設立を最適に行う。
これにより、従来の人手によるマッチングからデータに基づく効率的な資源循環モデルへと進化します。
期待される効果
この事業を通じて予想される効果は、環境的、経済的、社会的に多岐にわたります。CO2排出量の大幅な削減や資源循環率の向上など、環境面での改善が期待されるほか、地域経済の活性化や新たな雇用の創出も見込まれます。
今後の展望
yuniは2025年度中にAIマッチングシステムを完成させ、全国での本格運用を目指しています。この新しい資源循環モデルは、国境を越えた展開も視野に入れ、国際的に資源循環の重要性を広めていくことが期待されています。アジアを中心に、他国にもこの仕組みを導入することで、世界の環境問題への貢献を目指します。
まとめ
yuniの取り組みは、廃棄物を資源として再生し、それを循環させる新たなモデルを示す重要な試みです。環境省の支援を受けて、より一層の技術革新が期待されます。このような挑戦を通じて、環境意識が高まった国、日本が資源大国に生まれ変わる日が待ち遠しいですね。