積水ハウスがCDPでトリプルA評価を獲得
日本の住宅・建設業界において、積水ハウス株式会社は、新たにCDPから2025年度のAリスト企業に選定されました。これは、気候変動、フォレスト、ウォーターの全分野において、国内唯一の2度目のトリプルA評価を受けたものです。これにより同社の環境への取り組みが国際的に認められたことが示されました。
CDP評価の意義
CDPは企業の環境情報を独自に評価するシステムで、毎年何千もの企業の環境に関するパフォーマンスをスコアリングしています。今回、CDPのプラットフォームを通じて22,100社以上が情報を公開し、その中で約20,000社にスコアが付けられました。そして、トリプルAを取得した企業は、包括的な情報開示と優れた環境ガバナンスを実現していることが証明されています。
同社の「A」スコアは、積水ハウスが環境リーディングカンパニーとしての地位を確立することを示す指標でもあります。今後、持続可能な開発へ向けた同社の取り組みが期待されています。
環境分野での取り組み
気候変動への対応
積水ハウスは、SBT(Science Based Targets)などの国際的な脱炭素イニシアチブに参画し、TCFDの枠組みを通じた気候変動リスクと機会の情報開示を行っています。特に、2024年度の戸建住宅におけるZEH(ゼロエネルギーハウス)比率は96%、賃貸住宅でも77%に達しています。また、分譲マンションについても、2023年以降全戸ZEH化を進めています。加えて、サプライチェーン全体の脱炭素化を目指し、2030年には主要サプライヤーのSBT目標設定率を80%に引き上げることを目標としています。
フォレストへの貢献
2007年以来、積水ハウスは独自の「木材調達ガイドライン」を設け、フェアウッドの調達を推進しています。また、森林減少や土地転換を行わない原則を遵守し、持続可能な資源利用の実現を目指しています。さらに、2001年から始まった「5本の樹」計画では、都市の緑化と生態系の保護を意識した取り組みを続けています。
ウォーター資源の管理
水の利用が少ない事業を展開している積水ハウスは、水資源の持続可能性にも力を入れています。特に工場では循環水の使用を増やし、効率的な水の使用を推進しています。水リスクへの対応には中長期の計画が必要とされ、サプライチェーン全体での影響を考慮した取り組みが進行中です。
CDPのCEOの言葉
CDPのCEO、シェリー・マデーラ氏は、Aリスト企業として選定されたことについてのコメントで、「Aスコアを獲得した企業は、高い環境的志向と競争力が両立できることを証明している」と述べました。これは企業が透明性を重視し、持続可能な成長を追求する良い事例といえるでしょう。
今後の展望
積水ハウスのこれからの取り組みに注目が集まっており、持続可能な社会の構築に向けてのリーダーシップはますます重要になってきます。企業としての責任を持ち続け、環境に優しい選択肢を提供していく姿勢は、他の企業にも良い影響を与えることでしょう。今後も彼らの活動には期待が寄せられます。