卵殻膜の新技術
2025-11-20 14:49:24

未利用資源「卵殻膜」を活用した電極材料の開発報告

未利用資源「卵殻膜」の新たな活用法



2025年11月20日、信州大学において、卵殻膜から開発した次世代型電極材料に関する記者発表会が行われました。この発表は、株式会社ファーマフーズが信州大学とともに行ったもので、今後のエネルギー貯蔵システムに大きな影響を与える可能性があります。

卵殻膜から生まれた電極材料


株式会社ファーマフーズ及び信州大学の研究チームは、未利用資源である卵殻膜を原料にして、以下の2種類の高性能電極材料を開発しました:
1. 多元素ドープの3次元階層多孔質活性炭
2. NiCoMoナノ合金を内包した2次元繊維状カーボンナノフレーク
これらの電極材料は、10,000回以上の充放電サイクル後にも90%以上の容量を維持し、エネルギー密度と出力密度の面で非常に高いパフォーマンスを示しています。

発表会の詳細


記者発表会では、株式会社ファーマフーズの代表取締役社長、金武祚氏が成果を報告しました。また、信州大学からも、社会共創クラスターの卓越教授である金翼水氏、特任准教授のMayakrishnan Gopiraman氏が参加し、研究の背景や成果についての詳細を説明しました。
発表内容には、卵殻膜を活用した「循環型ものづくり」が含まれており、持続可能な社会への貢献が期待されています。

研究の波及効果と未来展望


この研究の成果は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なステップとされています。卵殻膜を高付加価値なカーボン材料へと再資源化することで、持続可能なエネルギー貯蔵システムへの応用が期待されており、以下の分野での応用が見込まれています:
  • - ウェアラブル型スーパーキャパシタ
  • - 電気自動車向けハイブリッドエネルギー貯蔵モジュール
  • - 環境調和型電子デバイスや高感度センサー
今後の研究では、電極材料の量産化や産業応用へのスケールアップが進む予定です。また、安全かつ柔軟なエネルギーデバイスの開発や、生分解性エレクトロニクスへの応用も視野に入れています。

論文と助成情報


この研究成果は、2報の学術誌に掲載予定です。
  • - Journal of Energy Storage
- タイトル: Hydrolyzed Eggshell-Membrane Derived B,N,O,P-Doped 3D Hierarchical Porous Active Carbon Electrodes for High Performance Supercapacitors
- 公開日: 2025年11月12日
  • - Advanced Composites and Hybrid Materials
- タイトル: NiCoMo Nano-Alloys Embedded B,N,O,F,P-Rich Fibrous 2D-Carbon-Nanoflakes/MXene Nanocomposites for High Performance Supercapacitors
- 公開日: 2025年11月15日
この研究の一部は、NEDOの助成を受けて行われました。

お問い合わせ


本研究に関する具体的な問い合わせは、信州大学社会実装研究クラスターにて受け付けています。

会社情報

会社名
株式会社ファーマフーズ
住所
電話番号

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