定額減税、効果なし?
2024-07-11 15:27:39
定額減税、中小企業経営者の6割が効果を否定!事務負担増加で不満の声も
定額減税、中小企業経営者の6割が効果を否定!事務負担増加で不満の声も
全国の70万社を超える中小企業を中心とした経営者の団体である公益財団法人全国法人会総連合(全法連)が、会員企業を対象に定額減税に関するアンケート調査を実施しました。
調査は、法人会アンケート調査システムを利用し、2,085名の中小企業経営者から回答を得ました。
調査結果によると、企業経営者らは定額減税制度への対応にあたり、顧問税理士への相談や法人会主催の説明会への参加など、様々なチャネルを通じて情報収集を行い、社員への周知徹底や給与計算ソフトのバージョンアップなどの事前準備を実施しました。
しかし、月次減税額の管理が必要となることから、約9割の企業が給与計算担当者の事務負担が増加したと感じていることが明らかになりました。
さらに、定額減税が景気・物価対策として効果を期待できるかという問いに対しては、6割以上が「効果はないと思う」と回答しました。
具体的な意見としては、「一括ではないため効果が実感できない」「給付金方式なら企業側の負担がなかった」「事務に係る手間・時間を考えるとむしろマイナス」といった、事務負担増加に対する不満が多数見られました。
一橋大学大学院経営管理研究科の安田行宏教授は、「今回の定額減税では、経済効果よりも実施方法における課題が顕在化した。昨年10月のインボイス導入、今年1月の電子取引データの保存義務開始など、企業の事務負担や納税協力費用は増加傾向にある。政府は政策対応についても、テクノロジーの進展に沿った形での効率化をいかに図っていくかが重要な課題だ」と指摘しています。
今回の調査結果は、定額減税の実施方法に課題があることを示唆しており、政府には企業負担軽減のための具体的な対策が求められます。