アクポニとアグリ王が展開する新たなイチゴ栽培システム
近年、農業の生産方法が多様化していく中で、イチゴ栽培にも新たな技術が登場しました。株式会社アクポニと株式会社アグリ王は、アクアポニックス技術を活用してイチゴ専用の栽培システムを開発し、販売を開始することを発表しました。これは、一般的なイチゴよりも1.5倍甘いとされるイチゴを年間を通して育てることができる画期的なシステムです。
アクアポニックスとは
アクアポニックスは、水耕栽培と魚の養殖を組み合わせた循環型農業の手法で、環境に配慮した高い生産性が特徴です。魚の排泄物が植物の栄養となり、植物が水を浄化する仕組みで成り立っています。今回開発されたシステムは、この技術をイチゴ栽培に特化したものとなっています。
共同実証実験で確認された高糖度
この新システムは、2023年から2024年にかけて横浜市港北区で行われた共同実証実験をもとにしており、その結果、平均糖度が15度という高貴な甘さのイチゴが栽培できることが確認されました。一般的なイチゴの糖度は10度程度であるため、実に1.5倍の甘さを誇ることになります。これは無農薬・無化学肥料で栽培しているため、健康志向の消費者にも注目されるのが特徴です。
システムの特徴と利便性
このアクアポニックスシステムには、イチゴ専用のLEDライトや作業を効率よく行えるラック設計、水質管理を徹底する水槽や濾過循環器が装備されており、高い作業性と安定した環境を実現しています。また、モジュール式のデザインにより、小規模から大規模な設計も可能で、農福連携や遊休地の活用といったさまざまな目的に沿った利用が期待されます。これにより、必要に応じてイチゴ栽培を展開できるため、さまざまなニーズに応えることができます。
今後の展望
今後は、2024年10月9日から販売が開始される予定です。生産量は約5.5kgのイチゴを毎月収穫でき、居酒屋や飲食店などでもフレッシュなイチゴが使えるとされています。新たな栽培方法として、アクアポニックスで生産されたイチゴが市場に登場することは、農業界にとって大きな革命となるでしょう。
結論
新しいアクアポニックスのアプローチにより、イチゴ栽培の可能性は大きく広がっています。これからの販売開始に向けて、さらなる注目を集めること間違いなしのこのシステムは、農業と食品産業の未来を変える新しい一歩となるでしょう。