フィリピン・セブ島における水の安全確保
公益社団法人日本青年会議所(以下、日本JC)は、フィリピン共和国のセブ市マンバリン地区に、最新の浄水設備を設置しました。この浄水施設の完成は、地域における水の安全性を高める重要なステップであり、地域住民の生活の質を向上させることに繋がります。2026年6月21日には、竣工式が行われ、多くの関係者が見守る中、テープカットが執り行われました。
SMILE by WATER事業の意義
「SMILE by WATER」は、日本JCが2016年から開始した国際貢献事業で、発展途上国に安全な水を提供することを目的としています。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一環として、「安全な水とトイレを世界中に」という目標の達成を目指す運動です。この事業は、浄水器や井戸、パイプラインの設置を通じて、地域に安心・安全な水を供給し、更には住民に水の大切さや衛生管理の重要性を教育する取り組みも行っています。
セブ市マンバリン地区の現状
セブ市マンバリン地区は急速な都市化によってスラム化が進んでおり、最も人口密度が高い地域でもあります。そのため、地域住民が日常的に安全な水を得ることは非常に困難です。特に2025年9月にはマグニチュード6.9の地震が発生し、その影響で上下水道などのインフラが大きく損壊を受けました。自然災害に見舞われているこの地域において、水道整備の必要性は非常に高く、日本JCはJCIセブ(セブ青年会議所)と協力し、安全な水の供給を目指した事業を実施することとなりました。
具体的な施策
浄水設備の設置によって、マンバリン地区の小学校では安全な水を供給します。この水は子どもたちには無料で提供し、地域住民には適正価格で販売されます。これにより、維持管理にかかる費用を地域住民自身で賄う仕組みを作り出し、持続的な運営を目指します。また、学校では手洗いの重要性を伝える衛生教育も実施され、子供たちが正しい手洗いを学ぶ機会が提供されます。
加えて、地域資源を活かした「手づくり石けん」の制作も行います。この石けんは、現地の特産であるココナッツオイルと浄水を使って作られ、地域の学校に通う子どもたちや先生たちが製造に関わります。完成した石けんは、地元のホテルやお土産店で販売され、得られた収益は製造者の手当や浄水設備の維持に活用されます。
竣工式の開催
竣工式には、在セブ日本国総領事館の上野裕大総領事や国境なき奉仕団の角俊太郎事務局長も出席され、地域住民と関係者で約100名が参加しました。式典では、上野総領事が「日比友好70周年の記念年として、さらなる協力の深化を願う」といった挨拶を述べました。この様子は、現地メディアにも大きく取り上げられ、セブの水問題解決に向けた取り組みが多くの人々に知られることとなりました。
持続可能な地域発展へ向けて
今回の浄水設備の設置だけでなく、地域住民が自らの力で持続可能な発展を目指す姿勢を促すことが、この事業の最大の目的です。日本JCは、今後も地域の状況に応じた支援を継続し、持続可能な解決策を残す取り組みを進めていく所存です。畏敬される地域住民たちの生き生きとした生活が、安心・安全な水の供給によってさらに豊かになることを願って止みません。