防災意識の新しいカタチ
野村不動産株式会社が提案する新たな防災対策として、「見せる防災・しまう防災」という適用が注目を集めています。この取り組みは、災害発生時に地域住民が迅速に行動できるよう、日常的に防災備品を目にする機会を提供し、その備品を分かりやすく活用できる仕組みを整えることを目指しています。
背景と目的
近年、自然災害の頻発に伴い、防災への意識が高まる中、野村不動産は「住まいの防災」というコンセプトを掲げ、ハードとソフトの両面から災害への備えを実現しようとしています。特に新築分譲マンション「プラウド」シリーズにおいては、全物件にこの取り組みを幅広く導入する方針が策定されました。
具体的な取り組み内容
「見せる防災」とは、住民が日常的に利用する動線上に災害備品や情報を展示することです。これにより家庭での災害対策や防災に関する会話が生まれ、地域全体の防災意識が向上します。例えば、ラウンジやエントランスホールに防災備品を収納し、必要な時にすぐ取り出せるようにする「しまう防災」の手法も取り入れられています。
特に、宅配BOX「フルタイムロッカー」への防災備品の展示・格納は、この取り組みの重要な部分を占めています。このBOXは、従来の防災備品をロック制御する宅配BOXとは異なり、手動で解錠できる機能を持つため、災害が発生した際にも迅速に備品を取り出すことが可能です。
地域への広がり
この取り組みは、マンション内だけにとどまらず、地域住民の参加を促すことも視野に入れています。大型防災倉庫を整備し、そこには防災備品を使用するためのパネルが設置され、住民がその利用方法を容易に理解できるよう配慮されています。東京都江戸川区の「プラウドタワー平井」では、この防災倉庫が地域住民にも開放され、地域防災の拠点となることを目指しています。
子どもたちへの効果
さらに、この「見せる防災・しまう防災」取り組みは、特に子どもたちに対して積極的に防災意識を育むことを狙っています。日本子育て支援大賞を受賞したこともこの取り組みの成果の一つです。普段から目にする防災備品を通じて、子どもたちが関心を持ち、家庭での防災について話し合うきっかけを提供することで、次世代の防災意識を育てていきます。
今後の展開
野村不動産は、2024年10月以降に設計を開始する全てのプラウド物件において、この「見せる防災・しまう防災」を原則として導入していく方針です。これにより、マンションによるエコシステムとしての防災対策が整い、住民のみならず地域全体の防災力向上へとつながっていくでしょう。
この新しい防災への取り組みは、私たちの生活をより安全にし、災害に強い街づくりを目指す大きな一歩です。すでに導入されている多くの物件が実績をあげており、その効果と広がりが期待されています。