安藤ハザマとNTT-ATの共同実証
安藤ハザマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:国谷 一彦)とNTTアドバンステクノロジ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:伊東 匡)は、建設現場における作業員の安全意識を向上させるため、監視カメラ映像を活用したAI画像解析による危険行動検知システムの実証を2024年10月から開始しました。このプロジェクトは、建設業界の安全推進を目的としており、AI技術を駆使して現場の安全性向上に寄与することを目指しています。
1. 開発の背景
建設現場では作業員の安全意識が低い場合、事故のリスクが高くなることが指摘されています。従来、安全教育やヒヤリハットの共有などで啓発が行われてきましたが、自身の行動を見直すことは難しく、加えて人手不足が進む中で的確な指導を行うのが困難という課題があります。そこで、AI技術を用いて監視カメラ映像から作業員の危険行動を検知し、自発的な意識の向上を図るシステムを開発しました。
2. システムの概要
このシステムでは、建設現場に設置されたクラウドカメラの映像データをAIクラウドサーバーが取得し、AIが作業員の姿勢を分析します。危険行動を示す姿勢が判定されると、その情報が蓄積されます。作業員は専用のWebアプリを通じて、自分の危険行動を確認できる仕組みです。これにより、自己認識を促し、安全意識をさらに高めることを狙っています。
3. 実証の内容
安藤ハザマが施工中の建設現場で、実証実験が行われます。この実験では、特に室内工事に伴う転倒・転落の危険行動を検知対象とし、複数の現場にシステムを導入します。監視カメラから得られる映像をもとに、AIが危険行動を特定し、作業員は作業終了後または翌日には危険行動の情報を確認し、自己学習を行います。実証期間は約1ヶ月で、最後に作業員や管理者からフィードバックを受け、システムの有効性を分析します。
4. 今後の展開
実証結果を踏まえ、建設現場でのさらなる安全意識向上を図るため、システムの導入を広げ、精度を高め、検知対象を増やすための研究開発を進める予定です。この取り組みが成功すれば、建設業界全体における安全性の確保に向けて大きな一歩となるでしょう。
まとめ
安藤ハザマとNTT-ATの共同プロジェクトは、AIを駆使した安全意識の啓発に取り組んでいます。現場の作業員が自分の行動を振り返る機会を増やすことで、事故の減少を目指すこの試みは、業界全体の安全レベルを引き上げる期待が寄せられています。