中津川市で始まる新たな系統用蓄電池事業
岐阜県中津川市で系統用蓄電池事業が立ち上がることが決定しました。このプロジェクトは、ID&Eホールディングス株式会社の傘下である日本工営エナジーソリューションズ株式会社と、株式会社安藤・間が共同で出資する「中津川蓄電所合同会社」によって推進されます。両社にとって、国内における系統用蓄電池事業への参入は初めての取り組みとなります。
近年、再生可能エネルギーの導入が進む中、電力需給の調整力として系統用蓄電池の役割がますます重要視されています。特に中部エリアでは、即応力が求められる一次・二次調整力市場での不足が顕著になっています。これを解消するため、蓄電池は電力系統の安定化に寄与する重要な役割を果たすことが期待されています。
この事業は、中津川蓄電所に設置される蓄電池を通じて、卸電力市場、需給調整市場、容量市場という3つの市場で取引を行い、電力系統の安定化を図ることを目的としています。この取り組みは、日本国内での欧州同様、持続可能な補助金を使用しない純民間事業として成立することが見込まれています。
日本工営エナジーソリューションズは、2017年からエネルギー市場が先行するベルギーと英国で蓄電池事業を行っており、そこで培ったノウハウやエネルギーマネジメントシステムの専門知識を活用して本プロジェクトを進めます。一方、安藤ハザマは、2021年にバイオマス発電事業への出資を決定するなど、再生可能エネルギー事業にも力を入れています。両社はこの事業を通じて、カーボンニュートラル達成に向けた社会的意義を強く認識し、持続可能な社会を目指しています。
本事業では、出力20MW、容量80MWhを持つリチウムイオン電池による蓄電所を建設します。事業の着工は2025年3月を予定しており、運転開始は2028年を目指しています。設置予定地は中津川市の約8,570㎡の敷地となり、各社の主な役割において、日本工営エナジーソリューションズは電気工事監理、アグリゲーション、アセットマネジメントに注力し、安藤ハザマは土木工事監理を担当します。
中津川蓄電所の設立により、日本における再生可能エネルギーの拡大が期待されています。また、特に話題となるのは、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取り組みです。両社は、現代社会に必要な電力・エネルギーインフラを担う使命を持ち、様々な社会課題に対してニーズに応じた解決策を提供し続ける意気込みです。
安藤ハザマは「安藤ハザマVISION2030」を掲げ、その中で環境価値の創造に注力しています。この中津川蓄電所の事業が推進されることで、より持続可能な社会の実現に寄与することが確約され、次世代に豊かな環境を引き継ぐことを目指しているのです。
この新たな系統用蓄電池事業は、岐阜県中津川市においても重要な意義を持つプロジェクトであり、再生可能エネルギー社会の実現に向けた一歩となることでしょう。今後の進展に注目です。