南砺市とトリニダード・トバゴの文化交流
2025年に開催される日本国際博覧会、大阪・関西万博に参加する富山県南砺市が、トリニダード・トバゴとの音楽交流を進めています。この交流は、万博を利用して国際的な文化交流を促進し、地域の課題解決や活性化を目指す「万博国際交流プログラム」の一環となっています。南砺市の音楽文化を深める契機ともなりそうです。
スティールパンを通じた交流
トリニダード・トバゴで誕生したスティールパンは、カリブ海地域で非常に人気のある楽器で、澄んだ音色で多くの人々を魅了しています。この楽器を通じて、南砺市とトリニダード・トバゴの間で密な交流が実施される予定です。
この交流プログラムの中心となるのが、毎年開催される「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」という市民参加型のワールドミュージック・フェスティバルです。このフェスティバルは、南砺市が地域の文化を発信する重要なイベントであり、国内外の多様な音楽を流通させる場を提供しています。
本場のアーティストによる指導
今年のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドでは、トリニダード・トバゴの「レネゲイズ・スティール・オーケストラ」のメンバー3名が来日し、南砺市のスティールパンバンド「スキヤキ・スティール・オーケストラ(SSO)」に対してワークショップを行います。この機会にSSOのメンバーは、本場アーティストからの直接の指導を受け、フェスティバルで成果を発表することが予定されています。
また、SSOの演奏は、今回の交流のハイライトの一つです。
クラゲバンドによる国際文化の融合
「クラゲバンド」は、万博のテーマ事業「いのちを高める」をテーマに設立された国際色豊かなバンドで、ここでも重要な役割を担います。バンドを率いるのはジャズピアニストの中島さち子氏で、クラゲバンドはこれまで多くの地域で国際文化交流を目指して音楽を通じたイベントを実施してきました。
8月には、スキヤキ・スティール・オーケストラや福野小学校のスティールパンクラブとの交流ワークショップを行い、フェスティバルではクラゲバンドとのコラボレーションでオープニングを飾る予定です。このプログラムを通じて、トリニダード・トバゴの独自な音楽だけでなく、多国籍な音楽が融合し、観客に新たな体験を提供します。
子供たちへの文化体験
さらに、クラゲバンドは南砺市の小中学校を訪問し、スティールパン音楽体験を通じて子供たちに文化に触れる環境を提供します。異なる国の伝統音楽や文化について学ぶ機会を設けることで、地域の未来を担う子どもたちへの国際理解を深める狙いです。
万博を通じた国際交流プロジェクトにより、南砺市とトリニダード・トバゴの絆が深まることでしょう。音楽という共通の言語を通じて、文化の壁を越えたさらなる可能性が期待されます。
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