兵庫県内では、伝統工芸の技術者たちが直面しているさまざまな課題を解決するため、新たな助成金事業の受付が始まりました。高齢化が進む技術者の問題や後継者不足、さらには伝統工芸としての認定を受けていないために支援が得られない事業者など、様々な背景があります。この助成金は、次世代の技術者を育成し、伝統工芸の発展を目指す事業者をサポートするためのものです。
助成内容
助成額は1件あたり最大500万円。今年度(2024年度)における助成金の総額は500万円であり、助成対象者はその金額と応募者数に応じて決定されます。
応募資格
応募資格は兵庫県内における工芸文化の発展を目指す個人または事業者のみ。その中でも、以下のいずれかの条件に該当することが求められます。
1. 後継者育成やその候補者の増加に寄与する活動を行うこと。
2. 事業の継続に必要な資金を求めていること。
3. 工房の設立もしくは増改築に関する資金が必要であること。
4. 新たな独創的な企画を実施しようとしていること。
5. その他、工芸文化や関連する生産・技術の発展を目指す取組み。
応募受付期間
この助成金の応募は2024年8月1日から9月30日の間に受け付けられます。興味のある方は期限内に手続きを行う必要があります。
応募方法
応募を希望する方は、兵庫県財団のホームページから必要な書類をダウンロードし、必要事項を記入して提出することが求められます。必要な提出書類には、助成金交付申請書、宣誓書、誓約書兼同意書、対象経費計算シート、直近の決算書、その他必要書類が含まれます。詳細は財団の公式ウェブサイトで確認できます。
選考方法
応募期間内に提出された書類は、12月までに選考が行われ、選考対象者が決定されます。この選考は公正を期すため、専門的な知識を持つ委員会によって審査が行われます。
- - 書類選考: 提出された書類に基づいて一次選考を実施。
- - 現地調査: 現地の状況を確認し、二次選考として面接を行う。
この現地調査では、書類審査だけではわからない実情を把握し、より良い選考ができるように心がけられています。
助成実績
これまでの助成金事例として、播州織のSTUDIO MOMENさまは、持続可能なものづくり拠点のアトリエ兼工房を建設するための助成を受けました。自家栽培の綿花を用い、自然エネルギーを利用するなどの持続可能な取り組みが評価されました。
また、寺﨑刃物さまは、古来の製法による握り鋏の技術を生かし、ハイブランドの市場に向けた事業に対して助成を実施。これらは地域の誇る技術を広め、次世代へとつなげる大きな一歩となっているのです。
伝統工芸を支えるこの助成金制度は、次代を担う技術者や事業者を育て、地域文化を守るための重要な機会です。興味を持たれた方は、ぜひ応募を検討してみてはいかがでしょうか。