三人の著名作家が織りなす選集『選んで、語って、読書会1・2』
3月31日、創元推理文庫から出版された新たなアンソロジー『選んで、語って、読書会1・2』が登場しました。本書は、今をときめく作家・有栖川有栖、北村薫、宮部みゆきの三人がそれぞれ大切に思う作品を厳選したものであり、彼らの豊かな文学の世界を体験できる貴重な一冊です。
編者たちの魅力
有栖川有栖は大阪府出身で、1979年にデビュー以来、本格ミステリの第一人者として知られています。北村薫は埼玉県生まれで、直木賞を受賞したこともある著名な作家です。そして宮部みゆきは、東京都で生まれた女性作家で、数々の文学賞を総なめにしてきた実力派です。彼らが共同で編集したこのアンソロジーは、彼らの読書愛を形にしたものといえます。
珠玉の収録作品
本書には、それぞれ6編ずつ選ばれた作品が収められています。各巻末には編者たちによる読書会の様子を60ページ以上にわたって収録しており、作品についての深い考察や感想を交えた楽しいトークが展開されます。これにより、読者はまるで彼らの読書会に参加しているかのような体験ができます。
『選んで、語って、読書会1』の内容
- - 「括弧の恋」 井上ひさし
- - 「秘嶺女人綺談付・私的探偵小説感」 高村信太郎
- - 「十二月の窓辺」 津村記久子
- - 「青塚氏の話」 谷崎潤一郎
- - 「さようなら、ハーマン」 ジョン・オハラ/浅倉久志訳
- - 「梅の家の笑子姐さん」 柳家小三治
- - 「北条義時――はじめは駄馬のごとく」 永井路子
- - 「閃くスパイク」 フランク・オルーク/稲葉明雄訳
- - 「同じ夜空を見上げて」 三崎亜記
(編者三人の座談会も収録)
『選んで、語って、読書会2』の内容
- - 「二〇〇二年十月十七日(木)」 宮沢章夫
- - 「パニック」 安部公房
- - 「檜山騒動」 海音寺潮五郎
- - 「低空飛行」 多島斗志之
- - 「麻畑の一夜」 岡本綺堂
- - 「革鞄の怪」 泉鏡花
- - 「喋る男」 小泉𠮷宏
- - 「塔」 夕木春央
- - 「ハードシェル」 ディーン・R・クーンツ/大久保寛訳
(編者三人の座談会も収録)
読書会での交流
作品の選定作業は、編者たちがともに時間をかけて行ったもので、読者にとっても心に残る作品に出会えることを約束しています。さらに、読書会の中で、各作家がどのように作品を選んだのか、選んだ理由や思いを聞くことができ、作品への理解を深める貴重な情報が得られます。
書誌情報
- - タイトル: 選んで、語って、読書会〈1〉〈2〉
- - 編者: 有栖川有栖/北村薫/宮部みゆき
- - レーベル: 創元推理文庫
- - ページ数: 〈1〉318ページ、〈2〉334ページ
- - ISBN: 〈1〉978-4-488-40064-4、〈2〉978-4-488-40065-1
- - 定価: 各880円(税込)
- - 装画: 大野隆司
- - 装幀: 東京創元社装幀室
この読書会を通じて新たな発見があることを期待しつつ、本書を手に取ることをお勧めします。多様な作品から、あなたにとっての「とっておき」を見つけてください。