古屋旅館の誇り、梅原明弘
熱海に位置する老舗温泉宿、古屋旅館の料理人、梅原明弘が、2025年9月29日に東京都で行われた「第42回日本料理全国大会」において、文部科学大臣賞を受賞しました。この大会は全国の料理人が一堂に会し、技術や美意識を競う権威あるコンペで、梅原氏の作品「草露白」が自由出展部門で評価を受けました。
72の季節を反映した懐石料理「草露白」
作品のテーマである「草露白」は、秋の到来を感じさせる懐石料理で、ナスやカブ、栗、タチウオなど、豊富な秋の素材が用いられています。料理は色とりどりに盛り付けられ、大根を使った「うさぎの飾り」が施されるなど、見る者を楽しませる演出も施されています。梅原氏は、「秋を感じる調和」を意識したと語り、作品は季節感と美しさを兼ね備えていました。
梅原氏の受賞理由とは
受賞の知らせを受け、梅原氏は驚きを隠せませんでしたが、これは一人の努力によるものではなく、彼の周りにいる人々、特に親方や職場の仲間たちの支えがあってこそ成し得た成果だと感謝の意を表しています。「古屋旅館には従業員の成長を支援する風土があり、それが料理にも良い影響を与えている」と彼は語ります。
日本料理全国大会の意義
「日本料理全国大会」は日本全職業調理士協会が主催する、食文化の継承と技術向上を目指すための大会です。政府の各省庁が後援し、各分野の料理人が集まり、ともに料理技術の向上を図っています。自由出展部門、郷土料理部門、技能コンクール部門の3部門で構成され、今年の大会には全国から38点が出品されました。
梅原氏の今後の目標
今後、梅原氏は若手料理人たちと共に成長を目指すと意気込みを見せています。「料理の技術を共有し、共に成長していきたい」と語り、また、彼の料理哲学として「季節の移り変わりを料理で表現すること」があります。これからの彼の活躍に期待が寄せられています。
古屋旅館と梅原明弘が織りなす日本料理の情景は、今後さらに多くの支持を集め、熱海の美食文化を支え続けることでしょう。