株式会社ソラコムと丸紅株式会社が共同で新たな合弁会社を設立することを発表し、IoT領域における戦略的協業を拡大する意向を示しました。この合意により、両社はこれまでに培った技術力やビジネスネットワークを活用し、より高品質な通信サービスの提供を実現しようとしています。
ソラコムは世界185か国以上で使用されるIoTプラットフォームを展開しており、契約回線数は700万を超えるという実績を持っています。そのプラットフォームは、デバイスの柔軟な接続を可能にし、様々な業界での利用が進められています。丸紅は、ダイナミックなビジネスネットワークと多様な市場知見を生かし、幅広い産業のプロジェクトを推進しています。今年の合弁会社設立に向けた契約は、この二つの強みを結びつけ、新機軸を打ち出す重要なステップと位置付けられています。
新会社は、丸紅I-DIGIOホールディングスの傘下の丸紅ネットワークソリューションズのMVNO(仮想移動体通信事業者)業務を分社化し、ソラコムが51%の出資を行う形で成立します。2025年8月1日からはこの新会社によって、モバイルワーカー向けのデータ通信サービス、プリペイドSIM、IoT回線などを企業向けに提供していく予定です。丸紅ネットワークはNTTドコモ回線を利用したフルMVNOの一つとして、独自の通信サービスを展開しています。
さらに、ソラコムはKDDIやグローバル回線を活用し、IoT向けに特化したサービスを提供しています。今後、新たに設立される合弁会社では、これらの技術を融合し、マルチキャリアのフルMVNOとして多様なニーズに応えられる高品質な通信サービスを提供することに期待が寄せられています。特に、既存の回線管理コンソールの進化や、次世代のiSIM技術の採用、SASE(Secure Access Service Edge)の導入なども視野に入れた施策が検討されています。これにより、ユーザーの利便性を高め、長期的には複数のキャリアプロファイルを一つのSIMで利用できる技術の実現も目指しています。
両社はまた、丸紅グループにおけるDXコンサルティングやデータ分析と、新会社のサービスを連携させることで、より多様化するニーズに応えるIoT・DXソリューションの提供を計画しています。2025年2月には海外市場におけるIoT分野での協業に関する合意も進めており、その対象はモビリティ、農業、インフラ分野に広がっています。
ソラコムと丸紅は、幅広い産業と地域の顧客のIoT活用やビジネスDXを支援し、持続可能な価値創出を目指して進化を続けています。新会社の設立により、両社はさらなる成長の機会を迎えることになるでしょう。期待されるサービスの向上と新たな市場開拓に、目が離せません。