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東工大発スタートアップelleThermo、Sony Innovation Fundより資金調達

東京工業大学発のスタートアップ企業である株式会社elleThermo（エレサーモ）が、この度、Sony Innovation Fundを含む投資家からシードラウンドでの資金調達を実施したと発表しました。同社は、東京工業大学で開発された革新的な熱エネルギー変換技術「STC」の実用化を目指し、エネルギー問題の解決に挑んでいます。

STCとは？革新的な熱エネルギー変換技術

elleThermoが開発するSTC（半導体増感型熱利用電池）は、色素増感型太陽電池の原理を応用した、画期的な熱エネルギー変換技術です。従来の熱発電技術とは異なり、温度差を必要とせず、室温程度の低温でも発電が可能です。この技術は、工場や家庭などから排出される未利用熱を有効活用し、電力を生み出すことを可能にします。

資金調達で目指すもの

今回の資金調達により、elleThermoはSTCの産業レベルでの実用化に向けた取り組みを加速させます。具体的には、大学研究室で試作されたSTCを、より大型で耐久性の高い製品へと改良していく予定です。さらに、エンドユーザーとの協業を通じて、STCの活用方法を模索し、様々なユースケースの開発・検証にも取り組んでいきます。

関係者のコメント

ソニーベンチャーズ株式会社代表取締役社長の土川元氏は、「elleThermo社のSTCは、コンパクトで使いやすく、安全な熱発電を実現する技術です。日本のエネルギー問題、ひいては世界のエネルギー課題の解決に大きく貢献する可能性を秘めていると考えています」とコメント。STCの高い技術ポテンシャルに期待を寄せ、今回の投資に至ったことを明らかにしました。

一方、elleThermo代表取締役の生方祥子氏は、「STCは新しい学術に基づく技術であり、ご理解いただくまで時間を要することもありました。しかし、Sony Innovation Fundの皆様は、高いレベルでの科学・技術的な議論を通して、深く理解していただいた上で投資を決断してくださいました。このことに感謝するとともに、大きな励みになっています。これからもチーム一丸となって、エネルギー問題の解決に貢献していきます」と、強い決意を表明しました。

elleThermoの目指す未来

elleThermoは、「安全・安心で、資源に頼らないエネルギー社会の実現」というビジョンを掲げ、STCを活用した発電システムの普及を目指しています。限られたスペースでも効率的な発電を可能にするSTCは、省エネルギー社会の実現に大きく貢献するだけでなく、持続可能な社会の構築にも寄与する可能性を秘めています。

今回の資金調達を機に、elleThermoの挑戦はさらに加速していくことでしょう。今後、STCがどのように進化し、私たちの生活に貢献していくのか、注目が集まります。

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