「KIT-13」が注目の医薬品
2023-04-18 10:14:23
米国FDA、プラズマローゲン誘導体「KIT-13」に希少小児疾患指定を付与
米国FDAからの希少小児疾患指定を受けた「KIT-13」
2023年3月14日、株式会社レオロジー機能食品研究所が開発したプラズマローゲン合成誘導体「KIT-13」が、米国食品医薬品局(FDA)よりレット症候群治療薬としての希少小児疾患指定(RPDD)を受けました。この認可は、新薬開発における重要なステップとなります。
さらに、3月29日には一般希少疾患指定であるOrphan Drug Designationも取得し、今後の市場展開が期待されています。これにより、KIT-13の治療効果が注目されていることは間違いありません。
Rare Pediatric Disease Designation(RPDD)とは?
RPDDは、希少な小児疾患の治療法を開発する企業に、優遇措置を提供するアメリカの制度です。指定を受けることで製造販売承認申請が優先的に審査されるほか、バウチャーが与えられるため、企業にとっては経済的なメリットも大きいです。これにより、希少疾患の治療薬開発が加速することが期待されます。
レット症候群の現状
レット症候群は、MeCP2遺伝子に変異が生じることで発症する神経発達障害で、主に女児に見られる病気です。重度の知的障害や運動能力の制限など多岐にわたる症状があり、患者数は日本で約1,000人、世界で64,000人と推定されています。現在、根本的な治療法がない中、新たな治療法の開発が急務とされています。
この病気は通常、1歳6か月から3歳の間に発症し、手の運動ができなくなる特有の動きや、言葉が出せなくなる退行現象が見られます。この病状は非常に厳しく、患者自身だけでなく、その家族にも大きな負担を強いることが少なくありません。
プラズマローゲン合成誘導体「KIT-13」の特徴
「KIT-13」は、強力な抗神経炎症効果が特徴的です。九州工業大学や九州大学と共同開発されたこの新薬は、レット症候群モデルマウスにおいて、神経炎症の軽減と、それに伴う運動能力と知的能力の改善が認められています。さらに、生存日数の有意な増加も観察され、特に注目されています。
今後は、うつ病やアルツハイマー病などへの応用も期待されています。医療関係者や研究者からは、この薬剤が新たな治療法として確立されることに期待が寄せられています。
研究者たちの期待
研究所の藤野武彦代表取締役は、「KIT-13は、レット症候群の治療にとどまらず、他の神経性疾患においても可能性を秘めている」と述べています。新薬の順調な開発と実用化が進むことを、患者とその家族は心待ちにしています。将来的には、これが希少疾患の治療の鍵となることが期待されています。
参考文献には、様々な研究成果が挙げられています。これにより、プラズマローゲンの効果が学術的に裏付けられつつあります。これからの進展に注目していきたいところです。
会社情報
- 会社名
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株式会社レオロジー機能食品研究所
- 住所
- 福岡県糟屋郡久山町久原2241番地の1
- 電話番号
-
092-976-2800