データセンターの冷却新時代！NTTファシリティーズが革新施設をオープン

データセンターの未来を切り拓く「DC Cooling Hub」の登場

NTTファシリティーズが运营する「Products Engineering Hub for Data Center Cooling」（通称：DC Cooling Hub）は、次世代のデータセンターにおける冷却技術の最前線を象徴する施設として、2025年4月22日から本格運用を開始します。生成AI時代に需要が高まる冷却性能の強化を目的として、液冷サーバーを中心とした効率的な冷却システムを検証・体験できる場を提供します。

新たな冷却技術へのニーズ

データセンターは、膨大なデータ処理を行うため、高性能なGPUサーバーを効率的に冷却する仕組みが不可欠です。このため、冷却液を直接サーバーに送る液冷方式が今後の主流となることが期待されています。具体的には、熱源機器や配管といった構成要素が重要な役割を果たし、特に高効率なオイルフリーチラーやチラーレス液冷空調システムの普及が進むと考えられています。これにより、消費電力量を削減し、環境性能を向上させることが可能です。

DC Cooling Hubの施設概要

DC Cooling Hubは、さまざまな空調機器を実際に設置し、模擬的なデータ処理負荷を掛けることで、現実的な冷却環境を再現しています。以下の3つのエリアから構成されています。

1. データホールエリア

データホールエリアでは、模擬負荷として空冷と液冷の両方の冷却方式を検証可能です。具体的には、420kWの空冷分と360kWの液冷分を備えたサーバラックが設置され、冷却液が供給されることで液冷サーバーの動作を体感できます。また、Envicool社のプレファブ配管を使用しており、高い冷却効率を実現しています。

2. 空調機設置エリア

このエリアには、ドイツのSTULZ社製の多種多様な水冷空調機が揃っています。特に、日本市場向けに最適化された大容量CDUが設置されており、効率よくスペースを使用できる設計になっています。空調機設置エリアは、技術者の育成やデータセンター事業者との情報共有の場としても機能します。

3. 熱源機器設置エリア

熱源機器設置エリアには、カナダのSMARDT社製のオイルフリーチラーなど、高度な熱源機器が揃っています。これにより、冷却性能の向上を図るだけでなく、エネルギー効率の最適化が可能になります。

今後の展望と利用方法

「Products Engineering Hub for Data Center Cooling」では、今後も技術の進化に応じた設備の導入やアップグレードが計画されています。NTTファシリティーズは、最新技術に基づいた空調ソリューションの提供を目指し、継続的な検証を行うことで、生成AIデータセンターの未来に寄与していくことを宣言しています。

NTTファシリティーズのプロダクト部長、由佐卓也氏はこの施設の意義を次のように述べています。「多様な空調機器が揃ったこの施設は、世界的にも珍しい存在であり、多くのお客様に利用していただきたく思います。」

このように、NTTファシリティーズの「DC Cooling Hub」は、データセンターの冷却技術を根本から変える可能性を秘めた、未来のプロトタイプとも言える施設なのです。新たなテクノロジーが生まれる現場を体験できる機会として、多くの人々に注目されることでしょう。