土田酒造とBIOTAが酒蔵内マイクロバイオーム研究を開始！日本酒の新たな未来を目指す

酒造りの未来を探る共同研究

日本の酒造りは、長い歴史の中で多くの技術革新を遂げてきました。その中でも、微生物の力を利用することが、日本酒の味や品質に多様性を与える重要な要素であることは広く知られています。しかし、酒蔵に定着しているマイクロバイオームが具体的に酒造りにどのような影響を与えるのかは、これまで十分には解明されていませんでした。この背景を受けて、株式会社BIOTAと土田酒造株式会社は新たな共同研究を開始したのです。

共同研究の狙い

本研究は、室内のマイクロバイオームを明らかにすることによって、酒造りにおいてそれらがどのように寄与するのかを探るものです。酒蔵内の表面から採取された微生物を基に、BIOTAが誇る先進のゲノム解析技術を用いて、さまざまなパラメータから成るマイクロバイオームの系統組成をマッピングします。具体的には、酒蔵内の環境、外部との接続性、使用される素材、そして酒造りのプロセスに至るまでを考慮します。このように多角的にデータを解析することで、酒造りの新たな知見を得ることが期待されています。

土田酒造の伝統と革新

土田酒造は1907年に創業し、「うまい日本酒で日本を元気にする」という理念を掲げています。彼らが徹底的にこだわるのが、乳酸や酵素剤などの添加物を一切使用せず、低精白の米を用いた製麹と発酵です。さらに、江戸時代から受け継がれてきた生酛造りという伝統的な手法を用い、自然由来の乳酸菌やさまざまな酵母を活かした日本酒作りに取り組んでいます。このような姿勢は、彼らが最先端の研究と伝統をいかに融合させているかを物語っています。

BIOTAの取り組み

一方、株式会社BIOTAは、都市や室内環境における微生物の多様性をデザインし、公衆衛生の改善に寄与することを使命としています。微生物のバランスを保つことで、感染症の拡大を防ぎ、日常生活における健康を向上させることを目指しています。マイクロバイオームの先端的な解析技術を活用し、持続可能な公衆衛生の実現を目指す姿勢は、今回の研究にも大いに貢献するでしょう。