アジラと科学警察研究所が共同で新技術を開発
株式会社アジラ(東京都町田市)と科学警察研究所(千葉県柏市)が共同で進めてきた研究が学会で評価され、論文がIEEEのRIVF2024に採択されました。この研究は、AIを駆使して映像を解析し、人物の不審行動を検出する技術に関するものです。
研究の背景
既存の不審者検知アルゴリズムでは、プライバシーの保護や多様な環境での行動解析が主要な課題です。特に、理想的な環境下で収集されたデータセットでは、実際の運用において役立つとは限らず、現場での問題を引き起こす可能性が高いです。
そこで、アジラは独自の骨格推定技術を用いた新しいアルゴリズムを開発しました。この技術により、映像解析の精度を向上させることに成功しました。
新しいアルゴリズムの特長
アジラの新技術では、映像から取得したRGB情報を元に、対象者の「骨格モデル」を生成し、行動を解析します。この手法はプライバシー問題を解決し、具体的な映像環境から得られるデータをもとにしているため、より高い検知精度を実現しました。
さらに、科学警察研究所が構築した独自のデータセットと、広く利用されている「SanghaiTech」とを比較し、独自データセットの有用性を確認しました。こちらの検証においても、骨格情報を用いる分析の精度が高く、不審行動や異常行動を正確に検出できることが判明しました。
未来展望と課題
アジラは映像解析技術に関する特許を既に保持しており、今回の共同研究は完全に異なるアプローチを行っています。AIが映像内の人物の未来の行動を予測し、その予測と実際の行動を比較検討することで、通常とは異なる行動を不審なものとして検出します。この技術は、公共の安全を高める潜在能力を秘めていますが、即時運用には他にも乗り越えるべき課題が残されています。
このような課題解決にあたることで、アジラは多くの人々に安心と安全を提供し、社会インフラの向上を目指しています。研究成果を社会にいかに還元するかに注目が集まります。
IEEEと科学警察研究所について
IEEEは、技術革新に貢献する国際的な専門家組織であり、その活動はコンピュータからエネルギーシステムまで多岐にわたります。一方、科学警察研究所は、鑑定や教育を通じた社会的な安全の向上に寄与する研究機関です。両者の協力は、今後の技術革新に向けた重要な一歩となるでしょう。
今後、この共同研究により、さらに高い技術が生まれることが期待されます。