ペットと共に歩む高齢者を支える『ワンニャンお引き受けサービス』
日本は急速に高齢化が進んでおり、特に高齢者が孤独感を抱えやすい現状があります。そんな中、ペットの存在は心の支えとして大いに役立つものです。しかし、高齢者の中には身体の衰えや健康上の不安からペットを飼うことを躊躇する方も少なくありません。
このような背景の中で、一般社団法人ゼロジャパンプロジェクトが展開する『ワンニャンお引き受けサービス』の取り組みは、特に注目されています。このサービスは、ペットを最後まで大切に飼いたいと願う高齢者が、安心してペットと共に生活できる環境を提供するものです。
1. ペット殺処分の現状とその背景
2023年度の環境省のデータによると、犬が2,118頭、猫が6,899匹と多くの命が殺処分されている現実があります。こうした殺処分に繋がる要因としては、飼い主の死亡や長期入院、引っ越し、さらには自然繁殖や遺棄など多岐にわたります。このような事態を防ぐためには、地域内での動物に対する理解と啓発が必要不可欠です。
2. 高齢者が安心してペットを飼える社会に向けて
『ワンニャンお引き受けサービス』は、高齢者が自身の健康に不安を持ちながらも、ペットと豊かに過ごせる生活を支援するプロジェクトです。この取り組みでは、飼い主が健康上の理由でペットを飼えなくなった際、保護施設がそのペットを迎え入れ、終生飼育を約束します。
このサービスは、ゼロジャパンサポーターとして月額1,000円でサポートが始まります。会費は全て、保護施設の運営やペットの医療・食費などに使われ、「殺処分ゼロ」の活動に寄与します。また、参加者にはペットシッターの無料サービスやフードのサンプル提供などの特典もあります。
3. 国の取り組みとゼロの日を目指す活動
ゼロジャパンプロジェクトは、全国各地の保護施設や団体と連携して活動しています。これにより、全国的に『殺処分ゼロ』を実現するための啓発活動を行い、ペットと人が共に幸せに暮らせる社会づくりを目指しています。特に、ペットを飼う高齢者のための安心感を提供し、地域社会全体でサポートする体制を築くことが意義の一つとされています。
4. ペットの里とその役割
岩手県滝沢市に位置する『ペットの里』は、世界最大級のペット関連施設であり、多くの保護活動や里親探しをサポートしています。この施設は、ペットと宿泊できるグランピング、どうぶつ病院、霊園を県内に備え、高齢者の健康を促進する役割も果たしています。また、イベントを通じて地域住民との交流や、ペット関連メディアへの露出などの活動も積極的に展開しています。
5. 知識と意識の普及が重要
高齢者に対するアンケート調査においても、ペットの取得先は主に購入に頼っている現状があります。この循環を変えるためには、ペットの保護や譲渡についての正しい理解を深め、責任を持った飼育を促す啓発活動が必要です。
終わりに
『ワンニャンお引き受けサービス』を通じて、ペットと高齢者が共に過ごす豊かな未来が広がることを期待します。ペットと人間との絆を再認識し、共に幸せに生きる社会を築くために、私たち一人一人が出来ることを考えて行動していきたいですね。