コスモ石油、AIを活用した自動給油システムを導入へ

コスモ石油の未来を支えるAI自動給油システム

コスモ石油が、AIを活用した自動給油監視システム「AiQ PERMISSION」の導入を発表しました。本システムは、セルフ式ガソリンスタンドにおいて、安全な給油行動をAIが監視し、必要に応じて給油許可を行う仕組みです。具体的には、スタンドのレーンに設置されたカメラがリアルタイムで映像を解析し、リスク行為を検知することで、従業員への警告や給油停止を実施します。

システムの背景と目的

日本のガソリンスタンド業界は、人手不足が深刻な問題となっています。近年、国内のガソリンスタンドの数は1994年度のピーク時から半減し、過疎地域では特にその傾向が強まっています。これに伴い、従来は必要だった有人監視をAIで置き換えることで、業務効率化が期待されています。特に、セルフ式のガソリンスタンドでの給油許可に関する運用が見直され、AIによる監視が可能となったことで、このシステムの導入が現実味を帯びてきました。

AiQ PERMISSIONの特長

「AiQ PERMISSION」には、以下のような特長があります。

1. 自動化された監視
従業員の常時監視が必要なくなり、AIがリスクのある行動を監視することで、業務の省人化が実現されます。これにより、従業員はより高付加価値の業務に専念できます。

2. 高い安全性の確保
給油中の火気の検知など、AIによる継続的な監視が可能なため、人間による監視よりも安全性が高まります。実際に、これまでの実証実験でも、異なる店舗環境においても安定した運用が確認されています。

3. 法規制への適合
現行の消防法に準拠した技術基準適合確認試験に合格しており、AI導入に向けた法的要件をクリアしています。

このように「AiQ PERMISSION」は、単なる業務効率化だけでなく、安全性を高めるための仕組みとしても期待されています。

実証実験と今後の展望

これまでに、全国各地のセルフ式ガソリンスタンドで実証実験を実施しました。これにより、様々な条件下でも安定して機能することが確認されており、特に雪や雨の影響を受けにくいことが取り沙汰されています。コスモ石油は2025年の法改正施行後にこのシステムを本格導入し、人手不足に悩む業界の大きな支えとなることを目指しています。